三度の飯より野球が大好き! 山本祐香です。
そして、絶賛燃え尽き症候群中の山本祐香です。

ああ、終わってしまったよ都市対抗が…。今回は、私が都市対抗の取材で感じたこと、特に裏側の部分についてただただ書き綴っていこうと思います。

毎年楽しみにしている都市対抗。今年はぜひ、他の記者さんが伝えない、又は立場的に伝えられないことを伝える立場になりたいと思い取材をさせていただきました。スポーツの情報は鮮度が大切。ただ、ゆるすぽではたっぷりと情報を伝えることができても、今見たこと聞いたことをすぐ伝えることはできない。そこで、リアルタイムの情報は“野球女士”のツイッターで公開していました。

野球女士とは、杜野まこ(横浜DeNA・楽天ファン/タレント・声優)、古田ちさこ(カープファン/モデル)、上村彩子(西武ファン/声優)、藤邑鈴香(阪神ファン/声優)そして私、の野球好きの友達五人組がSHOWROOMでやっている番組の名前であり、今はユニット名のようにもなっています。

 
昨年のドラフトの日から、当時は仙台大、現・Honda鈴鹿の松本桃太郎選手を番組で応援していくことを勝手に決めたので、都市対抗で松本桃太郎選手の取材もできたらと思い、野球女士としても取材に入ることになったのです。

とはいえ、私は前々からひとりで期間中できるだけ取材をしようと思って日程を調整していましたが、野球女士のメンバーに提案したのは直前だったため、ぜひやりたい! と言ってはくれたものの、みんなすでに他の仕事が入っています。そんな中で、なんとか時間を作って来てくれました。

画像: 杜野まこちゃんと一緒に松本桃太郎選手(Honda鈴鹿)の取材。動画でのインタビューも。

杜野まこちゃんと一緒に松本桃太郎選手(Honda鈴鹿)の取材。動画でのインタビューも。

初日は私ひとり。いつもは取材したい日、取材したい試合ごとに行っているので、大会を通して行くのは初めて。そして、東京ドームでの取材も初めて。方向音痴の私は、初っ端からベンチ裏の通路で迷子になります(笑)。通りかかった記者さんに記者席まで行きたいと話したら、親切にも席まで連れて行ってくれました。知っている記者さんも少なく、誰にも助けてもらえない環境を覚悟していましたが、忙しいのに優しく教えてくれる方がほとんどで本当にありがたかったです。

そんな記者さんたちを見て思ったこと。一日に3試合もあるアマチュアの大会で毎日毎日朝から晩まで時間に追われ、私が帰る夜23時頃にもまだパソコンに向かい記事を書いている姿を見て、私たちが何気なく読んでいる情報はこのような努力でできているんだな、と感謝の気持ちでいっぱいになりました。1日や2日じゃないんですよ、12日間ですからね。これは大会通して見て、同じように動いていた自分が2キロ痩せるという経験がなければ気づかないことでした。

画像: 記者席。ここでは、試合が終わったあとも真っ暗な東京ドームの中で、手元のライトだけ照らして記事を書く記者さんたちの姿が。

記者席。ここでは、試合が終わったあとも真っ暗な東京ドームの中で、手元のライトだけ照らして記事を書く記者さんたちの姿が。

監督や選手の囲み取材のとき、試合内容についてや技術的なことは他の記者さんがいろいろと聞いてくれますので、こちらはそれを一緒にメモするだけ。同じ試合を観ているので、聞きたいことはだいたい同じですしね。勝ったチームだとだいたい明るい話題にはなりますが、いいことばかり聞くわけにはいかなく、たまに答えづらいだろうなという質問もあったりもします。中には変化球な質問をする方もいます。

変化球…で思い出しました。その日延長12回タイブレークで決勝打を打った東芝の佐藤旭選手に「小柄な体で強い打球を打つ秘訣」のようなことを聞きたかったのですが、「小柄なのにパワーがあるのはなぜですか」と言ってしまったんですよね。あれ? 今の言葉は違うな、と気づいたときは、変な質問をして申し訳ないと思うと同時に「この女、バカだな」と思われただろうなとも思いました(笑)。それなのに「自分ではパワーがあるとは思いませんが(笑)、小柄だからこそ脇役じゃないですけど、チャンスを作ることだけ考えていきたいと思います」と、当然本来聞きたかった答えにはなりませんでしたが、私の質問に嫌な顔をすることなく丁寧に答えてくださいました。選手のみなさんも私のように変な質問をする人の相手もして、本当にお疲れさまと言いたいです…(笑)。

画像: 囲み取材の様子

囲み取材の様子

そんな中でも、嬉しいと思うこともありました。他の記者さんたちもそうだと思いますが、その日のヒーローではなくても“この選手いいな、気になるな”と個人的に注目したい選手が出てきます。そのような選手を日々追っていける、お話を聞けるというのは嬉しいですね。今後またその選手が活躍したらもっと嬉しいですし。私は今大会、初めてJR西日本の齋藤祐太投手が投げているところを生で観て、好きな投手だなと思いました。テレビで観るのと生で観るのはまた印象が違いますよね。

それから、私は普段大学野球を多く観ているので、自分にできることと言えば選手の大学のときと今の違いを探ること。大学を卒業して1年目、2年目の選手への取材はもちろんですが、9年目である上武大卒のNTT東日本、目黒聡選手に“社会人9年目の今だから大学生活に思うこと”を聞けたのは大きなことでした。

そして何よりも一番嬉しかったことがあります。今大会はNTT東日本(東京都)が優勝し、飯塚監督の囲み取材が行われましたが、いつものように私が聞きたいと思うことは他の記者さんが聞いてくれていて話は進んでいきました。この大会で優勝できた要因、あそこが決め手だったという部分を聞きたいな、と思っていたところ同じタイミングで他の記者さんが「どの試合もだと思うので難しいかもしれませんが、あそこがヤマだったなというところ教えてください」と質問。

画像: NTT東日本(東京都)優勝の瞬間

NTT東日本(東京都)優勝の瞬間

飯塚監督の答えが「トヨタ自動車に勝った試合で、宮内に代打を出したところがヤマでしたね」だったのです。実は私、この対トヨタ自動車(豊田市)戦で飯塚監督が宮内選手に代打を出したことが、ずっと気になっていたのです。7回表、宮内選手の代打の高野選手がライト前へタイムリーヒットを打ち、これが決勝点となったのですが、宮内選手は地区予選で打率.500とチームナンバーワン、都市対抗でも前の試合で終盤にタイムリーヒットを打っていました。この日まだヒットはありませんでしたが、そろそろ打つかもしれない。“なぜ代えたか”ということより“代えることにためらいはなかったのか”が気になっていて、試合が終わったあとの囲み取材で他の記者さんからこの質問が出ないから聞いてみたのです。

――高野選手も状態が良いとはいえ、予選で打率.500、前の試合でもタイムリーヒットを打っている宮内選手に代打を出すことに、ためらいはなかったのですか?

「ためらいしかなかったです。覚悟をして代えました。宮内もわかってくれたと思うし、チームも覚悟をしてくれている。いつも選手にしかけろと言っているのに、その監督がしかけないとダメですからね。だから覚悟をして代えました」

なぜ代えたか、起用が当たってどう思ったか、もちろんそれも気になりますが、代えるときの気持ちが知りたかった。そして優勝後の囲み取材で、このときの“覚悟”が優勝につながったとわかったときに、私が質問したことはとても意味のあることだったと思い、本当に嬉しく思いました。

そして飯塚監督は、“積極的なプレーなら何をしてもOK、それで失敗してもミスとは言わない”とおっしゃっており、それが準決勝の対東芝(川崎市)戦、9回裏1死二塁からの三盗、そしてサヨナラ打につながったのだと思いました。エースがいない、チームが若い、でも本気で狙っていくぞ! というチームワークで黒獅子旗を手にしたNTT東日本(東京都)。

画像: 宙に舞う飯塚監督

宙に舞う飯塚監督

毎試合、監督や選手にお話を聞いていると、そのチームの良い部分、不安な部分がわかってきます。そして、どのチームにも思い入れが出てきてしまいます。そんなのは無理だけど、どのチームも負けてほしくない。だから、試合が終わるたびに少し切ない気持ちになりました。

そして、今回一番感じたこと。監督という仕事の大変さです。特に精神的な部分。先にも書いたように、大会を通して取材をしたのが初めてなので、1日だけの取材ではわからない監督の表情や言葉の変化を感じたのも初めてでした。勝ったチームの監督でも試合を重ねるたびに疲れてやつれていくように見えましたし、お話を聞くたびにプレッシャーの大きさを感じ、こちらまで胸が押しつぶされそうになりました。実際、監督・コーチ陣は毎日試合が終わると夜遅くまで次の試合の相手の分析をし、勝ち進めば勝ち進むほど寝る時間もなかったと思います。

都市対抗の采配は本当に難しいと言われていますが、試合のときは不安を顔に出すこともできないですから、勝ってベンチ裏にきてホッとした顔をされているところを見るとこちらもホッとします。でも、またすぐ次の試合のことを考えなければならず、だんだん厳しい表情になってくるのです。負けたチームの監督がどんな表情をしているのか、どうしても勇気が出ず今回は勝ったチームの監督にしかお話を聞けずに12日間が終わりました。とにかく、勝っても負けても苦しい毎日を送る監督を見て、監督という立場の全ての方をリスペクトするという気持ちになりました。

そして、最後に…この言葉を肝に銘じなければならないと強く感じました。

「ペンは剣よりも強し」

同じ話を聞いているのに、書く人によって違う印象の文ができあがってきます。歪んだ情報を伝えることのないよう気をつけなければならないと、改めて思いました。

12日の期間中、他の仕事もあり全試合は観られませんでしたが、11日東京ドームに通いました。たくさんの新しい経験をすることができ、体力の限界を感じながらもやり遂げ、大切な野球女士のメンバーとも一緒に仕事ができて、大きく成長できた12日間となりました。野球がより好きになり、社会人野球がより好きになり、都市対抗がより好きになりました。本当に、ありがとう。

来年もここに戻ってこられますように。

画像: 本気な大人って、カッコ悪いくらいカッコいいと思う⑥~第88回都市対抗野球大会、取材を終えての本音~

※この記事は「ゆるすぽアンバサダー」が作成した記事です。記事内の権利関係等の責任は筆者に属します。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.