三度の飯より野球が大好き! 山本祐香です。

12日に渡って行われる大会も、もうあとわずか。毎日、忘れられない忘れたくない様々なドラマが生まれ、私の脳は都市対抗だけで埋まってしまうのではないかと思うくらいです。そのせいで脳から押し出された思い出たちよ、さようならごめんなさい。

そして、大会8日目。またひとつ、新しいドラマが生まれました。さいたま市・日本通運と門真市・パナソニックの試合で、ノーヒットノーランが達成されたのです!

日本通運の先発は阿部良亮投手。阿部投手は浦和学院高、東洋大を経て日本通運に入社した3年目の選手です。立ち上がりからパナソニックの吉川峻平投手と共に調子の良さが明らかで、これは投手戦になりそうだなと感じさせる投球でした。しかし、2回裏に関本憲太郎選手がレフトスタンドに大会20号のソロホームランを打ち、日本通運が先制。その後、さらに1点を加えて2-0となりそのままフィニッシュ! ピンチといえば5回表に四死球で1アウト一、二塁となったくらいで、122球を投げ切り、見事ノーヒットノーランを達成しました。

画像: ノーヒットノーランを達成した瞬間、チームメイトから祝福される阿部投手(真ん中)

ノーヒットノーランを達成した瞬間、チームメイトから祝福される阿部投手(真ん中)

阿部投手は、大会の長い歴史で史上5人目の達成者ということで、6年前に完全試合をした仙台市・JR東日本東北の森内壽春投手(その後日本ハムに入団、現・西武打撃投手)以来だそうです。ちなみに、なかなか達成されない記録とはいえ、都市対抗は1927年の長い歴史があるのになぜこんなに少ないのか。それは1979年から2001年まで金属バットの使用が認められており、特に1990年代は金属バットを使うチームが多く、打ち合いになっていたからです。

そんな数少ない達成者のひとり、阿部投手にお話をお聞きしました。

たくさんの記者に囲まれていた阿部投手。大きな体とは裏腹に小さな声でお話をされていて、囲み取材の輪の2列目にいた私にはほとんど聞こえてこない(笑)。時々聞こえてくる「性格的に大事にいきすぎちゃってフォアボールになったり」「人見知りなんです…」「本当はおしゃべりなんですけど」「マウンドでは緊張しやすいです」というような話に、“偉業を成し遂げたすごい人”という遠い存在からだんだん親しみを感じるようになります。

いつノーヒットノーランの可能性に気づいたかという質問には、「5回1死一、二塁のピンチを抑えたあとに、ヒットが出ていないと思いました。意識しないようにしましたが、後半ずっと意識していました。意識していることを顔に出さないようにしていました」と答え、伏し目がちに笑います。これほど注目されている状態が、少し気恥ずかしいような様子。

画像: 試合を観ているときは凛々しく見えていたが、お話を聞いたあとはこんなシーンもかわいく見えてしまう

試合を観ているときは凛々しく見えていたが、お話を聞いたあとはこんなシーンもかわいく見えてしまう

囲み取材が終わったあと、私も気になることを聞いてみました。

――藪監督が、コントロールとボールの角度に注意しながら低めに集められたときはいい投球ができている、とおっしゃっていましたが、日頃意識されているのですか?

はい、背が大きい方で(181cm)基本上から投げるピッチャーなので、角度をつけつつ低めにいくようにしています。今日はそれができていました。

――都市対抗が始まる前のオープン戦ではずっと調子が悪く、直前の対日立製作所戦で急に良くなったそうですが、どんな変化があったのですか?

精神面が一番変わったと思います。ずっと打たれていて、それが嫌で勝負しないでまた打たれたりしていたのですが、「おもいきってストライクゾーンに投げろ。バッターは打って3割なんだから」と言われて、打たれたら打たれただ、と思うようになりました。あと、マウンドでの立ち姿が良くないと言われたので自信を持って立つように心がけています。

画像: スコアボードに0が並ぶ

スコアボードに0が並ぶ

その後女性アナウンサーが、緊張しないためにリラックスする方法はあるかと聞いたところ、「100%リンゴジュースを飲みます。大好きなんです。ルーティーンに入っています」とおっしゃっていました。なんだか、とてもおっとりしていて控えめで、勝負のマウンドに上がるタイプには本当に見えないんですよね。ギャップが素敵です。

画像: ノーヒットノーランを達成し、囲まれて頭を叩かれる阿部投手

ノーヒットノーランを達成し、囲まれて頭を叩かれる阿部投手

藪監督も、「普段はノーヒットノーランを達成するというタイプのピッチャーでないのはわかっている。でも初戦の8回に投げたときに良くて、2回戦は思い切って阿部でいった。起用が当たってよかった。試合中は、パナソニックのバッターが低めを振っていてくれていたので、弱気になるなと声をかけた。こういうことをやるときは9回でも140キロ出るものだ。間をうまいこと乗り切ってくれた」と阿部投手の偉業に目を細めていました。

こんな大記録が生まれた今年の都市対抗も7月25日には終わりを迎えます。優勝して黒獅子旗を手にする都市はどこなのか。ここからもっと戦いは熱く面白くなってきます。みなさんも、ぜひ東京ドームへ!

画像: ノーヒットノーラン記念ボール

ノーヒットノーラン記念ボール

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