「あっはっは! 毎日何がそんなに楽しいのって言われてんで! あっはっは!」

電話取材にも関わらず、明るい様子がすぐに伝わってきた。彼女は、フィンスイミング女子日本代表選手・山階 早姫(やましな さき)さん、28歳である。

「ブログやツイッターを拝見しました」と話を切り出すと、「もう、しょうもないことしか書いてないので!」と、キレの良い関西弁で返す。出身地のことを聞くと、「ずっと大阪で育ったので、関西弁しかしゃべれません。東京に3日くらい居て大阪に戻ってくると、エスカレーターで(東京のように左側に乗っちゃってて)クソっ!と思うんですよ」と答えてくれた(笑)。

とても、とても、楽しい方だ!

画像1: (写真は本人提供)

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そんな彼女は、かつては2012年のロンドンオリンピックを目指していたトップアスリートだった。日本選手権では、リレー種目の選考対象種目で6位という成績を上げた。4位まで出られるため、大学卒業後、選手生活を1年続け、競泳に死ぬ気で賭けた。しかし、夢は叶わずに終わった…。

「ロンドンまでの経緯は苦しくて…、もちろんオリンピックには出られなかったんですけど…、もうプールに行くのもヤダって。塩素の臭い嗅いだら気持ち悪いとかなっちゃって、結構引き籠ってたんです」

当時の様子を振り返ってくれた。

「そのときに、同じスイミングで頑張ってた先輩がフィンスイミングを2006年くらいから先に始められてて、その人に『ずっと今まで水泳やってきたのに、そんな嫌いになったらあかんやろっ!』て」

その先輩とは、同じくフィンスイミング日本代表の谷川哲朗選手だ。

画像2: (写真は本人提供)

(写真は本人提供)


「彼とは15、6年の付き合いなんですけど、『一回おいでよ! 競泳とは全然違うから~!』って。まあ、競泳やってる子なら飲み込みが早いのですぐに出来るし、『一回おいで!』って半強制的にプール連れて行かれて、『こんな競技なんやでー』って教えられて…」

関西人のなせる業である。

「で、気づいたら試合にエントリーされててみたいな(笑)。それがロンドンの選考会が終わって一か月後くらいで。『え、え、え!』って…。『そんな練習してへんから試合なんか行かれへんよー』って言ったんですけど、『大丈夫、大丈夫、(競泳時代の)貯金があるから~』って…」

やはり…、関西人のなせる業である。

フィンスイミングは、大きく分けて2つの種目がある。“モノフィン”と言われるイルカの尻尾のようなフィンを付けて泳ぐもの。“ビーフィン”と言ってダイビング用の2枚フィンのようなものを付けてクロールを泳ぐもの。

「競泳から移ってきた人は、ビーフィンを付けてクロールを泳げばいいんですよ。私も最初は、『これ履いてクロール泳ぎな!』って…」

スピードは、モノフィンだと競泳の1.5倍くらい。ビーフィンだと女子が男子のタイムくらい出るという。続けて、泳ぎ方も教えてくれた。

「競泳は、腕7割、脚3割という感じですけど、フィンスイミングは、脚100%みたいな。あとは、腹筋と体幹という感じなので、競泳より自分の身体の使い方を考えて泳がないと記録は伸びないです」

画像3: (写真は本人提供)

(写真は本人提供)


「それに、腰の負担がすごいんです。泳ぎ慣れてない人がやると次の日動けないとか言われます。水中での腰のうねりがスゴイから、見てみると思ったよりもウネってると思うんです(笑)。自分の足よりも何倍も大きなフィンを付けて、それを振り切ることで前に進むので、上半身から使って、とにかくカラダ振って振って、というような感じです」

そんな彼女は、始めてから2カ月ほどでビーフィンの日本代表になった。アジア大会では銅メダルも獲得した。競泳で憧れた日本代表の座とメダル。でも、フィンスイミングという種目のため、彼女は「私が日本代表でいてるのは、運やと思っているので」と謙虚だ。

「歳も歳ですし…。日本代表の中やったら、私、女の子やとダントツで歳が上なので(苦笑)。なので歳のせいで、『代表の女子キャプテンやってね』とか言われるんですけどね(あはは)。今年29になる年なんです」

<後編につづく>

画像4: (写真は本人提供)

(写真は本人提供)

山階さん自作、ヒレのイヤリング(写真は本人提供)

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