元サッカー日本代表でロアッソ熊本FWの巻誠一郎選手が、地元・熊本県で営んでいるフットサルコート、サッカースクールがあります。それは、「巻フットサルセンター カベッサ熊本」。巻選手が高校時代を過ごした大津高校サッカー部の後輩にあたり、立ち上げ当初からカベッサ熊本に関わってこられた、施設マネージャー兼スクールGMの稲田将吾さんにお話を伺いました。

●前回の記事
【第1話】巻誠一郎選手が生まれ故郷で営むサッカースクール ―巻フットサルセンター カベッサ熊本―/がまだせくまもと!#54

画像: うまくなりたいから「子どもたちから学ぶことがたくさんある」―巻フットサルセンター カベッサ熊本―/がまだせくまもと!#55

カベッサ熊本は「malva(マルバ)サッカースクール」と提携してその育成メソッドを導入し、指導を行っています。巻選手は普段、稲田さんをはじめとする信頼できる仲間たちに現場を任せていますが、自ら施設を訪れ、子どもたちに直接指導を行うこともあるそうです。

まさに巻選手の生まれ故郷である熊本県宇城市小川町にある「小川店」、そしてもう一店舗、合志市にある「須屋スタジアム」。どちらにも顔を出すことがあるそう。

指導者ライセンスを持っているという巻選手。昨年度からは「巻クラス」という特別クラスを設け、自身が考案した練習メニューを実施するとともに、月1回を目安に子どもたちに直接指導を行っています。稲田さんいわく、「本人は、指導というものをすごくやりたがっているようなんです」とのこと。

「スクールの現場だと、またちょっと違う目線でサッカーに触れることができるので、それを自分のプレーに生かすことができると言っていました。子どもたちから学ぶことがたくさんある、と」

カベッサ熊本では、3歳から15歳(中学校3年生)まで指導を行っています。特に3歳の小さな子どもたちに教える時などは、すごく考えさせられるそう。

「僕らはよく、『指導はエンターテインメント』と言っています。最初はおじけづいてグラウンドに入れない子とか、恥ずかしがってやれない子もいるので、その子たちをどうやって引き付けて一緒にサッカーをする時間をつくるか。そして、同じ目線に立ってわかりやすい言葉で伝えるには、言葉の引き出しがすごく必要です。巻さんもそういう難しさを感じてると思います」

画像: ボールを使わずみんなで“こおり鬼”をしてステップやフェイントを教えることも。

ボールを使わずみんなで“こおり鬼”をしてステップやフェイントを教えることも。

言葉で伝えて教えるには、今まで感覚でやっていたものを一度咀嚼(そしゃく)して、相手に伝わるように組み立て直す作業が必要になります。巻選手も、子どもたちに伝えるために考える中で、「あっ、そういえばここはこうした方がいいな」とか「ボールをここに置いたらすぐにこういうプレーができるな」とか、そういった気付きがあるとお話されていたそうです。

「巻さんは今でも『うまくなりたい』と思っている。子どもたちに指導をする中で新しい発見があって、さらに『サッカーって楽しいな』って思いながらやってるんじゃないかな」

稲田さんのお話の通り、子どもたちへの指導にも積極的に関わっているという巻選手ですが、もちろん今は現役の選手であるため、スクールになかなか来られない時もあります。そんな時は、日々稲田さんたちと連絡を取り合ってスクールをサポートされているそうです。

「“報・連・相”はまめにしてますよ。お客さまに対する対応についても、巻さんからアドバイスをもらうこともあります」

巻選手から接客指導!?

――お客さま対応!? 接客面についてですか?

「そうです。ありますあります(笑)。笑顔で迎えてるのかどうかとか、子どもたちへの対応とか、『厳しすぎるなよ』とか。巻さんもいろんな世界を見てきて、いろんな考えを持っていてそれを伝えてくれるので、何か言われたら僕らもすぐチャレンジして生かしています」

そういえば巻選手、「PIZZERIA BAR NAPOLI」(千葉県市川市)というピザ屋さんのオーナーになったり、「ソルティス」という熱中症対策の塩飴を販売するなど、さまざまなことにチャレンジをしてこられました。このカベッサ熊本に対しても、多角的な考えを持って取り組まれているようです。

「カベッサがつくられたもう一つの理由として、サッカーのために県外に出ていって、一度プロになって戻ってきた選手などのセカンドキャリアのために、という意味合いもあります。やっぱり田舎だとサッカーで飯を食っていくことはすごく難しいんですけど、僕らはここで仕事をさせてもらって、家族もいるのですが生計を立ててやらせていただいてます。巻さんはこういう環境をつくって受け皿にして、サッカーで頑張ってきたことをちゃんと生かせるように、ここを立ち上げたんです」

画像: 巻選手から接客指導!?

子どもたちのために、そして、サッカーを頑張ってきた仲間たちのためにカベッサを立ち上げた巻選手。熊本地震後も、被災者の方々のために活動をされていました。

「多分、自分のことは一番最後に考える人だと思います」と稲田さんは話します。そして、その“他を思う気持ち”を強く持っていることが巻選手自身のハートの強さにもなっており、メンタルの強さにもつながっているのだろうとのこと。

ここカベッサ熊本では、サッカーの技術はもちろんのこと、それだけでなく巻選手のスピリットも伝える努力をされているそうです。それってもしかして、教えるのが一番難しい部分なのかも――!? 子どもたちにどう伝えているのか、引き続き稲田さんにお話を聞いてみることにしました。

(第3話へ続く)

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