熊本県宇城市小川町。熊本市内から南へ25キロほど離れたその町を訪れると、豊かな田園風景が広がり、大型ショッピングモールには家族連れが集う――、そんな温かい光景が広がっていました。

実は、この町からあるサッカー選手が生まれているのです。

それは、ロアッソ熊本FW巻誠一郎選手。言わずと知れた元日本代表選手ですが、その巻選手が創設したフットサルコート、サッカースクールがこの町にはあります。

画像1: 巻誠一郎選手が生まれ故郷で営むサッカースクール ―巻フットサルセンター カベッサ熊本―/がまだせくまもと!#54

決して華美ではないその外観は、敷居の高さなどはまるで感じさせず、町の温かな風景にすっかり溶け込んでいます。駐車場に車を止めてクラブハウスに向かうと、巻選手の写真パネルがそっと迎えてくれるのでした。

画像2: 巻誠一郎選手が生まれ故郷で営むサッカースクール ―巻フットサルセンター カベッサ熊本―/がまだせくまもと!#54

この日お話を聞かせてくださったのは、「巻フットサルセンター カベッサ熊本」施設マネージャー兼スクールGMの稲田将吾さん。

画像3: 巻誠一郎選手が生まれ故郷で営むサッカースクール ―巻フットサルセンター カベッサ熊本―/がまだせくまもと!#54

稲田さんは巻選手と同じ大津高校サッカー部のご出身で、大学を卒業後、東北社会人サッカーリーグで1年間プレーし、熊本に戻ってこられました。地元に帰ってきてからはサッカーとは別の仕事をしていたそうですが、そうしてまた1年ほど経ったころ、巻選手から「フットサル場の運営やスクールを手伝ってほしい」というお話を頂いたそう。

当時、巻選手はまさに2006年ドイツ・ワールドカップの日本代表メンバーに選ばれ、世界を舞台に戦っていたころ。世界を経験した巻選手は、足元の技術、ボールを扱うテクニックを子どものころから身に付けておかないと世界では通用しないということを痛感し、そういったスクールをつくりたいとの想いを持たれたのだそうです。

その後、さまざまなスクールを見て回り、いろいろな方とお話をされた巻選手。その中で、「malva(マルバ)サッカースクール」の育成方針に感銘を受け、同スクールと提携してカベッサ熊本を運営することを決めたそうです。

「うちの代表は、こだわりは半端じゃないので(笑)」とニコッと笑う稲田さん。立ち上げ当初、稲田さんたちスタッフは3カ月間関東で研修を受けられたそうです。今でも年に1回は関東に行って研修、年に2回はmalvaからインストラクターを招いて研修を行っているそうです。

稲田さんが、その育成方針やコンセプトについて教えてくださいました。

「1対1」を重視する育成方針

「一番重視しているのは、『1対1』です。チームとしてのプレースタイルを練習されるクラブやスクールさんもあると思いますが、カベッサでは個人技もしっかり身に付けて、なおかつ相手を見ながら技術が出せるように教えています。『相手を見る』ことや『観察する』ことで、『しっかり考える』ようになることを大事にしているんです。

それに、1対1では、気持ちの強さや前に仕掛けるチャレンジ精神も育まれると思います」

画像1: 「1対1」を重視する育成方針

カベッサ熊本では、プレーにおいての「1対1」も重視していますが、指導者と生徒という意味での「1対1」もとても大事にしているとのこと。練習中は、それぞれの個性に合わせて能力を引き出すということ、そのために指導者が子どもを「見抜く」ということを、日頃から意識されているそうです。そして練習の最後には、子どもたち一人ひとりに対して手を握りながら「今日はいっぱいボールを触れたね!」などの声掛けをされていました。

画像2: 「1対1」を重視する育成方針

練習中には、コーチが子どもたち一人ひとりに“問い掛ける”場面も多く見られます。

「例えば、子どもが何かにチャレンジした姿を見たら、『良かったよ』って言ってあげます。そして、『じゃあ次はどうする?』って投げ掛けます。今やりたかったことをどうすればできるようになるか、僕らは子どもを見抜いてそれぞれに合った選択肢を与え、子ども自身が考えて答えを出させるようにしています」

確かにサッカーでは、ピッチに入ると最終的には自分で判断するしかありません。相手を見抜いて、自分で考え、技術を出す。その素早いサイクルを繰り返し練習していくために、カベッサ熊本ではフットサルコートを使って練習が行われています。

サッカーよりも狭いフットサルのコートでは、すぐに相手との1対1が生まれ、素早い判断が求められます。また、コートが狭い分、ボールに触れる機会もたくさん生まれるので、足元の技術が身に付きやすいのだそう。元ブラジル代表のロナウジーニョ選手、ロビーニョ選手や、ヨーロッパで活躍する選手にも、フットサル出身の方は多いそうですよ!

さて、malvaサッカースクールの協力も得て地元・熊本県にフットサルコート、スクールを作った巻選手ですが、ここにご自身も訪れ、子どもたちに直接指導を行うこともあるそうです。このスクールやスタッフの皆さんへの関わり方には、巻選手の人柄や考え方が表れているようでした。

(第2話へ続く)

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