画像1: W杯2015!! 大満足の開幕戦と試合後の不運!?

9月11日、ラグビー日本代表が、ワールドカップの初戦の地であるイングランド南部のブライトンに入り、「いよいよワールドカップが始まる」という雰囲気になりました。

ブライトンはロンドンから電車で1時間ほどと立地が良く、しかもイギリスの中では有名な観光都市です。ピア(桟橋)には遊園地や水族館もありました! 語学学校も多く、多くの外国人が英語を学びにくるため、ラーメン屋さんもあれば、中華やカレーはもちろん、石窯で焼いてくれるピザ屋さんもあり、食に困ることはありませんでした。

もちろん行くことはなかったですが、ナイトクラブも多く、バスは24時間走っています。またゲイやレズビアンで有名な街ということで、中心部の時計台には七色のテープがかかっていました。それでは日本代表がどこで練習していたかと言えば、中心部からバスで10分くらい行ったところにある名門パブリックスクールでした。

ラグビーに限らずワールドカップのような大きな大会になると、練習でも取材パス(アクレディテーション)がないと、練習取材もできません。ただ、ブライトンでそれを発行できるのは16日からでした(ロンドンでは10日くらいからできたため、わざわざロンドンに立ち寄った記者もいたくらいです)。それがないと練習取材ができない……という可能性もありましたが、個人的にはどうにかなるかなと思っていました。案の定、他の合宿地でも同じようなことが起きていて、日本ラグビー協会の広報担当の方の機転もあり、すぐに取材できるようになりました(こういった小さなトラブルはよくあるものです)。

12日からパブリックスクールの奥にあったラグビー場で練習が始まりました! 周りはシートで囲まれていて、他のライバルチームが動画を撮れないように工夫もしてありました。ラグビーポールは、もちろんワールドカップ仕様でした。ブライトンでの練習は、当たり前と言ったら当たり前ですが、コーチ選手からも声が出ていて、本当に集中してトレーニングをしていました。

翌13日も練習があったので、ラグビー場に行くと、周りを囲っていたシートが前夜の強風のため(?)にところどころはがされていて、結局、元に戻ることはありませんでした。日本代表を取材に来る海外メディアは多くないので問題なかったのかもしれません。

16日にはスタジアムまで行って無事に取材パスを手に入れることができました。自分の写真が入っているパスを受け取ると、ホッとすると同時に「いよいよ、本当に始まる」という気持ちになるものです。取材パスをもらうときは、他の大きな国際大会同様に、メディア用のバッグだったり、メディアガイドだったり、大会ロゴの入ったカップだったりと「メディアキット」がもらえます。まだ1ヶ月ほどイングランドに滞在することになっていたので、荷物を減らすためにバッグとカップは、ホームステイ先の家族にプレゼントしました(喜んでくれたので良かったです!)。

17日には日本代表が合宿しているホテルでメンバー発表会見があり、この頃になると日本の主要メディアはほとんど渡英してきました。海外メディアがあまりいないため、まるで「日本の秩父宮ラグビー場」のようになるのはいつものことです。

18日には本番が行われるスタジアムで、日本代表と南アフリカ代表の前日練習が行われました。ただケガのため、日本代表のメンバーが変更になり、私も含めて記者は大慌てでした。先発のCTBクレイグ・ウィングがケガのため、控えだった立川理道に変更、控えに田村優が入りました。

数日前の練習でホワイトボードを見ているとCTBのところにはクレイグ/立川となっており、さらに、その3日前、CTBウィング選手が練習に参加せず、クラブハウスから見つめていた姿を目撃していたので驚きはなかったです。後から聞くとイングランドの柔らかいグラウンドの影響で、古傷の膝を痛めてしまったようです。

さらに18日は、開幕戦の日でもありました。ロンドンの「ラグビーの聖地」であるトゥイッケナム・スタジアムで夜、イングランド代表対フィジー代表が予定されていました。ブライトンでの取材を終えると、すぐに電車に乗ってロンドンへ。ブリット・レイルパスはすでに使えるようにしていたので仕事は電車の中でやることにしました。

試合は20時キックオフでしたが、19時からオープニングセレモニーがあったので、それに間に合うように出て、17時くらいには最寄りの駅に到着することができました。ただし、7万人収容のスタジアムのチケットは売り切れており、駅に着くなり、人、人、人……。

画像2: W杯2015!! 大満足の開幕戦と試合後の不運!?

実はスタジアムに取材で入るためには、取材パスだけでなく、メディア用のチケットを手に入れなければなりません(どの取材席に座るか記載されています)。それが、どこでもらえるのか、まったく書いてありませんでした。誰に聞いてもわからない……。メディアガイドにも書いていません。やっと、たまたま、すれ違った知り合いの記者に聞いて、スタジアムの隣の学校の敷地で引き換えることができました。急いでメディア用のご飯を食べてスタジアムの中へ。

10年ほど前に観光でトゥイッケナム・スタジアムに来たことがありましたが、試合を見るのは初めてでした。開幕戦は前々回大会も前回大会も取材しましたが、各国が威信をかけて行うため、その国のカラーもよく出ます。

画像3: W杯2015!! 大満足の開幕戦と試合後の不運!?

イングランドはラグビーの母国だったこともあり、発祥の地とされるラグビー校からボールが現代まで旅をするという壮大なストーリーでした。伝説とされているウェッブ・エリスがボールを持って走って駈けていくシーンでは、ヘンリー王子と、イングランド代表の名選手だったジョニー・ウィルキンソンが片隅で掃除をしているという演出も。出場国のレジェンドが登場するシーンでは、日本から元日本代表WTB大畑大介さんが登場しました!

試合もホームの大声援に後押しされたイングランド代表が勝利し、大満足の開幕戦でした。ただ、ここで大きな問題が起こりました。なんと最寄り駅で人身事故があり電車が動いていませんでした。翌日が日本代表戦のため、急いで帰りたかったのですが、それと知らず駅近くまでいっても電車に乗れない多くのファンがいて前に進めない。いつ復旧するのかもわからない。30分くらいは立ち往生していたでしょうか。

結局、復旧しないということがわかったので、40分くらいかけて隣の隣の大きな駅まで歩くことになりました。最悪のケースも考えて、時刻表を調べておきましたが、結局、夜中12時半の電車にやっと乗ることができ、最終電車で3時半にブライトン到着(一等車のパスを持っていたので座ることができました! 備えあれば憂いなし、です)。当然、タクシー乗り場には長打の列ができていました。

あきらめて1時間くらいかけてホームステイ先まで歩かないといけないかもと思ったのですが、ブライトンが観光都市であるが故に、24時間バスが動いていたので、何とか4時頃に隣町のホーヴまでたどり着くことができ、4時半から5時くらいには寝ることができました。これがブライトンではなく、他のあまり大きくない街だったら、今頃どうなっていたのか……。ゾッとします。

こうして慌ただしい中で18日が過ぎていき、19日、運命の日本代表戦を迎えました。前日の疲れもありましたが、興奮もあって10時前には目を覚めまし、12時くらいにはスタジアムに向かうことにしました。日本代表戦のキックオフが16時45分と夕方だったのが幸いしました。

ブライトンに入ってから、何人もの現地のファンに私が日本人だとわかると、「南アフリカ代表が50-0で勝つよ!」「80-0で勝つよ!」と言われて悔しい思いをしたものです。それもそのはず、南アフリカ代表は出場20チーム中、ワールドカップで一番の勝率を誇る優勝2回の強豪、24年間勝利していない日本代表の勝率は最下位でした……。

でも私は南アフリカ代表の一方的な試合になることはないと確信していました(ただ勝利することは難しいとも思っていました)。だから、そう言ってきた人には、「何とかして7点差以内の敗戦か、4トライ以上を挙げてボーナスポイントを取ってほしい」と言い続けてきました。

さあ、いよいよ運命の南アフリカ代表戦のキックオフが近づいてきました!(文・写真=斉藤健仁)

 
[プロフィール]
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。2015年ラグビーワールドカップを含むエディー・ジャパン全57試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー『観戦力』が高まる」「突破!リッチー・マコウ自伝(※共訳)」(ともに東邦出版)など著書多数。>>Twitterアカウント

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