イングランドには9月4日に出発し、時差の関係で同日に到着しました。

まだワールドカップまで開幕まで時間があるのでラグビー関係者はいないかな?と思っていたのですが、イギリス遠征に行く帝京大ラグビー部と同じ飛行機でした(苦笑)。

しかも、席が元日本代表PRで帝京大とパナソニックでスクラムを指導している相馬朋和コーチの前でした……。そのとき相馬コーチの「(日本代表には)堀江(翔太・副キャプテン)がいるから大丈夫でしょう!」という発言が心強かったです(※堀江選手は帝京大OBでパナソニックのキャプテンです)。

画像1: 日本のメディアは5社!? ラグビーW杯の決戦前夜

日本代表は9月5日、ワールドカップでスコットランド代表とアメリカ代表と対戦する会場でもあるグロスターのキングス・ホルムスタジアムで、直前最後の真剣勝負としてジョージア代表と試合を行いました。2年前にも日本代表が試合をしたので行ったことがあったのですが、今回は荷物も大きかったこともあり、ヒースロー空港からバスで移動することに決めました。一日何本もありましたし、インターネットで予約もできたので、割と便利でした!

まず、既知の街だったこともあり、翌朝、すぐに携帯ショップへ行き、30ポンドで1ヶ月使用できるsimを購入。simフリーのネクサス5を持っていたので、すぐに開通することができました。日本ほどLTEは速くはなかったですが、これで地図も見られるし電話もメールもできます。仕事がメインなのでやっと一安心です。

宿はスタジアムもグロスターの駅まで歩いて10分くらいの好立地。次にやったのはホテルのおじさんとの交渉でした。4戦目のアメリカ代表戦の夜の宿が予約できていませんでした。ネットでは、もちろん売り切れという状況でした。

ただ宿の店主はラグビーが大好きで、地元のクラブであるグロスターは日本代表と同じ赤と白のストライプのユニフォームで、愛称は「チェリーアンドホワイツ(Cherry and Whites)」。そのためか、日本代表に親近を持っているようで、「他にも日本人のメディアが泊まっているよ!」、ワールドカップ期間中は「○○選手と○○選手の奥さんが泊まっているよ」と教えてくれたりしました。直接、おじさんに聞いてみると「空いているよ」と返答がありました。ただし一泊約100ポンドと倍の金額でしたが、夜10時に終わる試合なのでしょうがないところでした。

試合は日本代表が13-10で逆転勝ち! 昨秋、まったく歯が立たなかったスクラムで互角に戦い、ワールドカップにおおいに弾みがつく試合となりました。翌9月6日には日本代表の一次合宿地であるブリストルに向かい、私もブリストルに移動しました(前回書いたのですが、ブリットレイルパスの有効期間は1ヶ月なので、まだ使っていません)。

ブリストルでは駅の近くの宿に泊まっていましたが、日本代表の練習していたブリストルの練習場まではバスで40~50分でした。

ただ、事前に駅前からグラウンドの前までバスがたくさん出ているということを調べていたため、バスの1日券(だいたい大きな街にはあります)を購入し、問題なく行き来することができました。まだまだ日本代表の注目度は低く、日本のメディアが私を入れて4社ほどで、現地のメディアは0という状況でした。五郎丸選手のキック練習を最後まで見ていたのは私一人という日もあったほどです(しかもこの日の練習は調子が悪かった……)。

そして9月11日、ついに日本代表がワールドカップ初戦の地であるブライトンに移動しました(私は1日前に移動しました)。その夜、歓迎式典があったのですが、ワールドラグビー(旧IRB/サッカーのFIFAのような国際的な統括組織)の会長から記念のキャップとメダルを授与されて選手たちは喜んでいて、「いよいよワールドカップが始まる」と笑顔を見せていました。

画像2: 日本のメディアは5社!? ラグビーW杯の決戦前夜
画像3: 日本のメディアは5社!? ラグビーW杯の決戦前夜

少しはしゃぎ過ぎている選手たちを見て「喜びすぎでは?」と危惧したくらいでした。一方で、日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が、式典後の囲み取材で、憮然とした表情で「バカにされた!」と怒りをあらわにしていました。

画像4: 日本のメディアは5社!? ラグビーW杯の決戦前夜

実は式典の中で、ワールドカップの振り返りと日本代表の過去のワールドカップの活躍した姿(1991年のジンバブエ代表選や、2007年のカナダ代表戦)などが映像で流されました。

過去のワールドカップの映像ではジョーンズHCがオーストラリアの指揮官時代に2003年のワールドカップ決勝で敗れて、悔しそうにしている姿も映し出されました。

そして、日本代表の映像が終わると、手違いで、もう一度ビデオが少しだけ再生されてしまいました。その場をつなごうと咄嗟に、式典の司会者が「もう一度見たいですか?」と言ったのですが、その発言に対して指揮官はカチンときたようです。日本代表を歓迎する式典なので、日本代表の良いシーンだけを流して、いくらオーストラリア代表時代とは言え、ジョーンズHCが悔しそうにしている姿を流さなくてもいいのでは、とも思いました。

画像5: 日本のメディアは5社!? ラグビーW杯の決戦前夜

ただやはり、やっとワールドカップの初戦が行われる決戦の地に来て、しかも初めてワールドカップに出場する選手が多い中で、少しチームに気の緩みがあったことも事実でした。ジョーンズHCは自分が怒ることでチームに渇を入れ直したのだと思います。

残り1週間、こうして日本代表はワールドカップ本番に突入していきました。ただ翌12日に、公式会見が行われたのですが、日本のメディアは私を入れて5社、現地の記者は一人のみと10人にも満たない寂しい状況でした。現地のラグビー専門誌の予想は、日本は予選プール全敗で最下位。でも、それが約1週間後、100人以上のメディアで会見場がいっぱいになるとはこのときは夢にも思いませんでしたが……。(文・写真=斉藤健仁)

 
[プロフィール]
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。2015年ラグビーワールドカップを含むエディー・ジャパン全57試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー『観戦力』が高まる」「突破!リッチー・マコウ自伝(※共訳)」(ともに東邦出版)など著書多数。>>Twitterアカウント

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