画像1: [最終回]嗚呼!WBC観戦とトホホのチケット価格

私は1999年からほぼ毎年のようにアメリカに野球観戦に出かけてきたのですが、その中でも特に印象に残っているのが2013年春に行われたサンフランシスコでのWBC決勝ラウンドです。

この時は、1月上旬に決勝ラウンドのチケット販売がWBCオフィシャルサイトで開始されるや、いち早くゲットしました。

そして、3月中旬にサンフランシシコに飛びました。日本対プエルトリコの準決勝の日、私は試合開始の2時間前にAT&Tパークに到着しました。周辺は、すでに日本、プエルトリコ両軍のサポーターの熱気でお祭り騒ぎです。

早速、日本から注文しておいたチケットをチケットブースで受け取ったのですが、そこには困り果てた雰囲気の日本人家族の方がいらっしゃいました。年配のご夫婦と彼らの娘さんと思われる30代くらいの女性2人です。お声を掛けてみると「チケットを受け取りたいのですが、どうすれば良いかと思案していました」とのこと。

こちらもたいして英語は堪能ではないのですが、「お役に立つなら」とサポート申し上げることにしました。関係者枠のチケットとのことだったので、てっきりスポンサーの招待チケットかと思い、「では私が窓口で受け取りますので、お名前を教えて下さい」と申し上げると、ご主人は「○○と申します」と。えっ!「ひょっとして・・・」「ええ、そうなんです」。

彼らが受け取ろうとしていた関係者枠のチケットとは、スポンサー関係ではなく選手の家族枠だったのです。

私は得意のインチキ英語でチケットを受け取り、彼らにお渡ししました。その時、何と言うべきかと思ったのですが、正直に「精一杯応援させていただきます」とお伝えすると、お父様が代表してとても丁寧にお礼を述べられました。プロ野球選手のお父さんというと、スポーツ用品店のオヤジさんのようなタイプを想像しがちですが、きちんとジャケットとスラックスをお召しの紳士で、学校の先生のような方でした。また、お母様や妹さん(と思います)も華美すぎないいでたちで上品な方達でした。

残念ながら、その試合で侍ジャパンは敗退してしまいましたが、この日以降その選手は私のひいき選手の1人になりました。

画像2: [最終回]嗚呼!WBC観戦とトホホのチケット価格

しかし・・・、このWBC観戦旅行は心温まるふれあいだけではありません。日本の敗退以外にも傷ついてしまうことがありました。

それは決勝ラウンドのチケット価格の迷走です。

私が、3試合通しのチケットを購入したのは前述の通り1月上旬のこと。価格はチケットマスターの手数料等を除き290ドルで、内訳は準決勝2試合がそれぞれ85ドル、決勝戦が120ドルでした。場所は一塁ベース後方で前から4列目。なかなかの臨場感でした。

画像3: [最終回]嗚呼!WBC観戦とトホホのチケット価格

ところが・・・。

恐らく大量に売れ残ったせいだと思いますが、サンフランシスコに到着した日、WBCのHPではなんと199ドルでこの席は販売されていることを見つけてしまいました。その差、91ドル・・・。

さらに、3試合セットではなく個別試合単位で購入すると、準決勝2試合目のオランダ対ドミニカ戦では、私のエリアの席が35ドル(日本対プエルトリコ戦はそこまで安くありませんでしたが)。決勝戦は70ドルです。

正直なところ、私の隣に座っているファンが私より1試合あたり50ドルも安く買っているかもしれないと考えると、心中おだやかならぬものがありました。

実は、私がWBCチケットに裏切られたのはこの時が初めてではありません。2009年の第2回大会、サンディエゴでの第2ラウンド日本対韓国戦でのこと。最も高い70数ドル(正確な金額は忘れました)の席を奮発し、ネット裏で観戦していたのですが、試合が中盤に差し掛かった頃、ペトコ・パークの職員が、2階席の観客をガラガラの1階に下りてくるよう誘導を始めたのです。

理由は、テレビに映る1階席の空席を少しでも埋めようという配慮のようでした。幸運を手にした2階席のファンは大喜びでしたが、私は大いに動揺したものです。

さて、みなさん。これで5回に渡ってお伝えしてきた私の海外取材記も終了です。お付き合いいただきありがとうございました。実は、今週末から現地2泊の弾丸ツアーでモントリオールに行ってきます。MLB球団再誘を目指す同市でブルージェイズ対レッドソックスのプレシーズンマッチ2連戦を観戦するためです。

また、5月末にはプエルトリコのサンファンに出かけマーリンズ対パイレーツ2連戦をフォローしてきます。また、どこかでお会いしましょう。(文・写真=豊浦彰太郎)

 
[プロフィール]
福岡県生まれ。MLBライター。初めて生で観戦した小学校1年生の時、巨人対西鉄のオープン戦で王貞治さんのホームランを観たゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。ブログ「豊浦彰太郎のMLBブログ "Baseball Spoken Here"」は高い人気を誇る。

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