画像1: ヤンキー戦観戦後、NYの地下鉄での恐怖体験

みなさん、こんにちは!

豊浦彰太郎(とよらしょうたろう)と申します。
現在52歳で、世の多くの同輩同様に仕事のストレス、住宅ローン、子供の教育費と戦う日々ですが、その合間を縫って、アメリカを中心に多くの球場やその跡地、ローカルな野球博物館を巡ってきました。

メジャーリーグに興味を持ったのは、小2だった1971年のオリオールズの来日がきっかけなので、フォロー歴45年!にもなるのですが、実際に野球の旅を始めたのは1999年、36歳の時でした。若いころは経済的にとても苦しくアメリカ野球観戦旅行など不可能だったからです。

中高年男性の多くは、がんじがらめで息のつまりそうな日々を過ごしていると思います。私も同様です。だから、野球の旅はつかの間の現実逃避です。渡航は基本的には年に一度だけですが、1年中楽しめます。毎年今の時期から夏の旅のプランを練るのですが、就寝前にブランデーを舐めながらMLBのスケジュール表と睨めっこするのは、ちょっと暗いですが至福の時です。旅が終わり成田に戻った時は虚脱感を感じるのですが、これも旅が充実していればこそ。翌日から「次の旅まであと364日!」とカウントダウンを始めるのです。

前置きが長くなりました。数回に分けてそんな私の旅のエピソードをご紹介したいと思います。初回は、旅でもっとも大切な安全管理についてお話したいと思います。

画像2: ヤンキー戦観戦後、NYの地下鉄での恐怖体験

日本では治安の良さは前提ですが、北米ではそうではありません。初めてのメジャー観戦はニューヨークのヤンキー・スタジアム(2008年いっぱいで取り壊された先代)でのことだったのですが、その帰路に地下鉄で大変怖い想いをしました。

それは1999年6月のことです。私は、東海岸への出張で生涯2度目のニューヨーク訪問を果たしました。

そして仕事(もちろん本業)上の旅程が全て終了した最終日の夜、同行の同僚とともにヤンキース対メッツ戦を見にヤンキー・スタジアムへ向かいました。

その夜の私には少々悩みがありました。出張中のホテルはお隣コネチカット州で、グランドセントラル駅から列車で1時間、しかも1時間に1本しかありません。

同僚も一緒となれば万が一にも最終列車を乗り逃がすことは許されず、結局終電の一本前に乗ることにしたので、試合終了までは観戦できず途中で球場を後にしました。

ところが・・・大歓声に包まれた球場から一歩外に出るとそこはゴーストタウンのような不気味な静けさ。白タクの客引きだけがウロウロしているのです。90年代まではこの付近はとても危険な地域とされていたのですが、まさにその雰囲気でした。

恐ろしくなった我々は足早に地下鉄の駅に向かったのですが、人影もまばらな構内には怪しげな目つきの輩が通路に座り込んでいました。

完全に雰囲気に呑まれてしまった我々はホームでの数分間(恐怖で数時間に感じました)の後、到着した地下鉄に乗り込みました。車両はガラガラで、我々の前に座り込んでいたのは物凄く大きな体つきのホームレスとも薬物常用者とも取れる若者でした。一瞬目が合った後マズイ!と思った私は同僚を促し、席を移動しました。ところが、その若者は私の行動が気に入らなかったようですぐに追ってきて私の前に立ちはだかり「次の駅で降りろ」と要求してきたのです。

初めて生命の危険を感じました。恐怖で口も開けない状態でしたが、色々な思いがよぎりました。

数十ドル渡してお引きとり願うべきか? 大きな声を出して助けを呼ぶべきか? イチかバチか闘うべきか?(これは有り得ません)

結局どうすべきか判らぬままひたすらその若者を無視し沈黙を続けました。その間若者は私の座席の前に立ちはだかっているのです。

沈黙が数分続き、地下鉄がハーレムの中心125st駅に到着するとしびれを切らしたその若者は、悪態をつき降りて行きました。フーッ。

今から思うと単にからかわれただけなのかも知れませんが、この日のことは一生忘れないでしょう。得た教訓は「試合後人波にもまれて帰るべし。早すぎても遅すぎても危険」。(文・写真=豊浦彰太郎)

 
[プロフィール]
福岡県生まれ。MLBライター。初めて生で観戦した小学校1年生の時、巨人対西鉄のオープン戦で王貞治さんのホームランを観たゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。ブログ「豊浦彰太郎のMLBブログ "Baseball Spoken Here"」は高い人気を誇る。

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