日本で最もメジャーなスポーツが野球であることは間違いないだろう。ところが近年、スポーツの幅が広がり、野球のことがよくわからないという人たちも増えてきた。その代表格は少年を中心にプレー人口を増やしたサッカーだろう。

そこで野球の専門家と、サッカーのライターが対談し、お互いのイメージや特徴などを容赦なく聞いてもらった。

野球代表は、プロ野球、千葉ロッテマリーンズや阪神タイガースで活躍し、引退後は格闘家に転向してK-1に出場。その後、野球解説者や指導者として活躍している立川隆史氏。

そんな専門家に、授業以外で野球の経験がなく、いまだ野球の試合を見たことがないというサッカージャーナリストの森雅史が質問をぶつける。ヒヤヒヤもののタブーなき対談、第8回をお届けしたい。

画像1: 待ち時間も大切? 野球の練習時間が長いワケ

森:野球って練習時間がすごく長いですよね。

立川:長いですね。バットを振る方もそうなんですけど、振っていって振っていって、力が抜けたときに一番いいスイングが出来るというのがありますから。力が余ってると余計な力が入るじゃないですか。それを投げ込んだり、振り込んだりして、余計な力が使えないような状態でプレーすると、一番いいバランスで出来るというのが、落合博満さんの本に書いてありました。だからみんな長く練習するんでしょうね。

森:それで体力は持つのですか?

立川:よーく見ると、1人がずっと動いているわけじゃないんですよ。バッティングでもゲージがあって、そこに1人だけがいるんじゃないんですよ。2人、3人いて、打ちながら回してるんです。

森:待っている人は何をしてるんですか?

立川:今の自分のバッティングを反省したり感覚を確かめたりしています。イメージを考えたりとか、そういう時間ですね。

森:あと守備の練習って難しくないですか? 必ずホームベースからノックしますよね。たとえばファーストが練習しているときって、セカンドやサードは何をしてるんですか?

立川:待ってます。

森:サッカーの指導は待ち時間がゼロになるように教えるのが一番いいとされるんですよ。

立川:チームプレー、守りだとランナー一塁でバントしてきたとき、セカンドでアウトにするようにという動きはほとんどの選手が関係してくるんですよ。それに、他の選手の練習をじっくり見ておいて、どんな動きをするか、何が得意で何が得意じゃないのかを覚えておくことが大切なんです。それが勉強になるんで。

森:それで全部のポジションの練習をしていったら、それは長くなりますよね。

立川:長くなります。でも、正味の時間はそんなに長くないんですよ。

森:球場に何時ぐらいにはいるんですか?

立川:18時試合開始だと、17時に両チームの練習が終わり。ビジターは1時間練習するので16時からスタート。ホームチームはその1時間前からの練習なので15時に練習開始。その30分ぐらい前に球場入りするので、14時30分にはいますね。でも、その前に自分の練習をしたり、ストレッチをしたりするので、さらに早いですね。

森:試合日に練習するんですよね。

立川:そうですね。自分の身体の調子とか、感覚を確認した後に試合なんですよ。試合にいい状態で入っていくための準備です。

森:Jリーグは、ルール上では70分前に会場入りしなければいけません。

立川:両方ともですか?

森:はい、両チームともよく一緒のタイミングでスタジアムに入ってきていますよ。練習も一緒のタイミングですね。サッカーの場合、直前練習は30分もないので、通常はウォーミングアップだけですよ。

立川:試合前に練習して、芝は悪くならないですか?

森:そこまで激しく練習していないと思います。

立川:芝が荒れると難しいですよね。

森:野球はどうなんですか?

立川:今は人工芝なんでそこは問題ないんですが、少し土の部分があるので、そこはその守備位置の人が足でならしたりして整えてますね。

森:サッカーだと芝をワザと荒らすことがありますね。前後半でピッチが入れ代わるとき、ゴール前の芝を荒らしておいて、後半相手を不利にしようとすることがあるそうです。国際試合のとき、相手にやられたとGKに聞いたことがあります。

立川:それファウルじゃないんですか?

森:いやぁ、そこまでレフェリーが見てないですからね。

立川:そこはスタジアムに行かないとわからないですね(笑)。

<続く>

 
[プロフィール]

画像2: 待ち時間も大切? 野球の練習時間が長いワケ

立川隆史(たちかわ・たかし)
1975年10月7日、千葉県千葉市に生まれる。幼いころから野球に親しみ、中学で野球部に入ろうとするが、坊主頭がイヤでバスケット部を選択。しかし高校で再び野球の道に戻ると、ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団した。その後、4番打者を務めるなどの活躍を見せた後、阪神に移籍。阪神でも4番の大役を務めるなどしている。引退後はコーチなどをしていたが、2007年にはK-1 JAPANで格闘家としてもデビューするなど異色の経歴を持った。現在は野球解説者ならびに指導者として活躍中。

画像3: 待ち時間も大切? 野球の練習時間が長いワケ

森雅史(もり・まさふみ)
12月12日、佐賀県有田町に生まれる。週刊専門誌を皮切りに数多くの雑誌・書籍に関わってきた。強引な理論を振りかざした突破と爆発的な筆の遅さで読者の予想を超えるオチを目ざしているがいつも苦戦している。地道な取材の前線で体を張り続けているものの、書き始めるまで結論がどこになるのか本人にもわからない。キュートでニートなフットボールジャーナリスト。

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