日本で最もメジャーなスポーツが野球であることは間違いないだろう。ところが近年、スポーツの幅が広がり、野球のことがよくわからないという人たちも増えてきた。その代表格は少年を中心にプレー人口を増やしたサッカーだろう。

そこで野球の専門家と、サッカーのライターが対談し、お互いのイメージや特徴などを容赦なく聞いてもらった。

野球代表は、プロ野球、千葉ロッテマリーンズや阪神タイガースで活躍し、引退後は格闘家に転向してK-1に出場。その後、野球解説者や指導者として活躍している立川隆史氏。

そんな専門家に、授業以外で野球の経験がなく、いまだ野球の試合を見たことがないというサッカージャーナリストの森雅史が質問をぶつける。ヒヤヒヤもののタブーなき対談、第6回をお届けしたい。

画像1: 1球毎に細かく修正も退屈に見えてしまう野球の守備

森:野球ってポジションがかっちり決まっていて、不自由じゃないですか? 今日はちょっとフォーメーションを変えてセカンドを2人にしてみようとか、今日はピッチャーを2人出して2トップに使用とか、そういうのはないですよね。

立川:(笑いながら)そこまではないですけど、よーく見てもらうとポジションは常に変わっていますよ。

森:それはライトとセンターが入れ変わっているとか、そんな感じですか?

立川:いやいや。内野手も外野手も、極端に言えば1球ずつポジションを修正しています。

森:それはベンチからのサインが出ているのですか?

立川:基本的には選手がピッチャーの配球を見ながら変えますね。あちらに打たせないように投げるとか、こっちに打たせるようにしているとか。それからバッターの打つ傾向によって変えています。全体的にこっちを守ろうとか。

森:それって、相手選手のことを全部覚えているんですか?

立川:覚えてますね。

森:野球はすごく細かいですね〜。サッカーもずっとポジションを変えますが、事前に覚えることは野球ほど多くないでしょうね。

立川:そうかもしれないですね。

森:でも、そんなこと知らなかったから、バッターとピッチャーの駆け引きしか見てませんでした。バッターが打席に入って足もとをならして、ピッチャーとにらみ合った後にサインの確認をして、ときには何度も首を振って、やっと投げた〜、ボール! みたいなのって、守ってる選手からすれば「早くしろよ」と思っているんじゃないかと思ってました。

立川:サッカーは45分間ほとんど途切れないですからね。ところでサッカーを見に行っている人たちって、いつトイレに行くんですか?

森:ハーフタイムですね。だからハーフタイムのトイレはいつも大行列です。我慢できない人は、ハーフタイムのちょっと前に席を立ってます。

立川:じゃあ45分間、トイレに行かないんですね。何か食べるのもハーフタイムですか?

森:食べたくなったら、そうだと思います。あとは試合前に買い込んでおいて、ハーフタイムに食べるという感じでしょうか。野球はそんなに食べられるのですか?

立川:イニング間でチェンジの間にトイレに行ったり、何か買ってきたりしていますよ。

森:経済的に考えると、そちらのほうが売り上げが上がりそうですね。

立川:飲みながら、食べながら試合を見るというのが楽しみだと思っていらっしゃる方もいると思います。

森:サッカーだと食べている暇がないですね。

立川:ずーっと声出してるし。

森:そうですね。試合開始数秒でゴールということがありますから、食べられないんですよ。

立川:僕はよく高校サッカーを見に行ってたんですよ。国立競技場に通ってましたから、それもわかりますよ。食べる暇、なかったですね。

森:野球を見に行く人は体格がよくて、サッカーを見る人は細いという仮説を立ててみますか! あ、でもその前に僕が痩せないと説得力がないですね(笑)。

<続く>

 
[プロフィール]

画像2: 1球毎に細かく修正も退屈に見えてしまう野球の守備

立川隆史(たちかわ・たかし)
1975年10月7日、千葉県千葉市に生まれる。幼いころから野球に親しみ、中学で野球部に入ろうとするが、坊主頭がイヤでバスケット部を選択。しかし高校で再び野球の道に戻ると、ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団した。その後、4番打者を務めるなどの活躍を見せた後、阪神に移籍。阪神でも4番の大役を務めるなどしている。引退後はコーチなどをしていたが、2007年にはK-1 JAPANで格闘家としてもデビューするなど異色の経歴を持った。現在は野球解説者ならびに指導者として活躍中。

画像3: 1球毎に細かく修正も退屈に見えてしまう野球の守備

森雅史(もり・まさふみ)
12月12日、佐賀県有田町に生まれる。週刊専門誌を皮切りに数多くの雑誌・書籍に関わってきた。強引な理論を振りかざした突破と爆発的な筆の遅さで読者の予想を超えるオチを目ざしているがいつも苦戦している。地道な取材の前線で体を張り続けているものの、書き始めるまで結論がどこになるのか本人にもわからない。キュートでニートなフットボールジャーナリスト。

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