日本で最もメジャーなスポーツが野球であることは間違いないだろう。ところが近年、スポーツの幅が広がり、野球のことがよくわからないという人たちも増えてきた。その代表格は少年を中心にプレー人口を増やしたサッカーだろう。

そこで野球の専門家と、サッカーのライターが対談し、お互いのイメージや特徴などを容赦なく聞いてもらった。

野球代表は、プロ野球、千葉ロッテマリーンズや阪神タイガースで活躍し、引退後は格闘家に転向してK-1に出場。その後、野球解説者や指導者として活躍している立川隆史氏。

そんな専門家に、授業以外で野球の経験がなく、いまだ野球の試合を見たことがないというサッカージャーナリストの森雅史が質問をぶつける。ヒヤヒヤもののタブーなき対談、第2回をお届けしたい。

画像1: 野球とサッカー、それぞれにある審判との駆け引き

森:今回もよろしくお願いします。

立川:はい、よろしくお願いします。

森:さっそくなんですが、野球の人って、サッカー選手がすぐ痛がったり転がったりするというイメージなんですか?

立川:え? でも、ファウルを取られるのも技術じゃないですか。それがわざとらしいとイエローカードなんですよね。だから、いいんじゃないかなって(笑)。

森:サッカーから言うと、野球で審判に激しい文句を言ったりとか、選手を引き上げさせたりとか、ああいうのは信じられないんです。

立川:昔はありましたね~。でも、今はほとんどないと思いますよ。

森:サッカーだと、ああいうことをやるだけで何試合の出場停止になるかわからないくらいですよ。引き上げたら「試合放棄」扱いで大差の負けとして扱われますし。

立川:だから結局、サッカーも野球もルールがあって、そのギリギリのところでせめぎあってるワケでしょう? ここまではやっていいし、ここから先はダメだけど、その中間のよくわからない部分での駆け引きですよね。審判の判定があまりにもおかしいと抗議しなければいけないし、でも「没収試合にするぞ」と言われたら出てこなきゃいけないだろうし。

森:野球って一球ずつ審判が決めるんでしょう? だったら、ものすごく審判に左右される気がするんですが。

立川:だからあんまり文句言わないんですよ。審判も人なので、微妙な判定のところに選手から不満顔をされたらイヤじゃないですか。

森:そんなとき、どんな反応をしているんですか?

立川:ニッコリしながら「今の、コース一杯ぐらいですか?」って聞くぐらいですね。審判を敵に回すと、微妙なところがストライクになることもあるので。

森:それはイヤですね!

立川:それはしょうがないと思います。

森:相手チームとも審判とも戦っているわけですね。

立川:審判を味方にできるかどうかは大切ですよ。味方にできたら有利になりますし。そこは、なるべく、触れないように、というか気分を悪くさせないように(笑)。サッカーはないですか?

森:サッカーだと、たとえばイエローカードを出しちゃって間違ったと思ったからと、相手チームにもイエローを出すと、それは誤審を2回繰り返すことになると、厳しく審判委員会から見られるようです。

立川:そうなんですか。

森:でも国際試合だと、モロにホーム贔屓の審判がいて、濡れ衣のようなPKを取られて同点にされちゃったなんてこともありますね。

立川:野球だと、高めには甘い審判だとか、低めには厳しいとか。そういうクセは見抜いておかないとダメなんです。

森:じゃあ、審判の特徴を覚えていくんですね。

立川:多少あると思います。大変ですよ。それにベンチで会話するんです。ボールを受けているキャッチャーがみんなに「今日はアウトコースは取らないけれど、インコースは取りますよ」って。

森:サッカーだと、試合前に「今日の審判は○○さんだから、ちょっと逆らうとイエローカードだぞ」っていう指示があるらしいですけどね。

立川:(大笑いしながら)そういうのもあるんですね。

森:両方とも、レフェリーを巡る駆け引きも面白いですね~。

<続く>

 
[プロフィール]

画像2: 野球とサッカー、それぞれにある審判との駆け引き

立川隆史(たちかわ・たかし)
1975年10月7日、千葉県千葉市に生まれる。幼いころから野球に親しみ、中学で野球部に入ろうとするが、坊主頭がイヤでバスケット部を選択。しかし高校で再び野球の道に戻ると、ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団した。その後、4番打者を務めるなどの活躍を見せた後、阪神に移籍。阪神でも4番の大役を務めるなどしている。引退後はコーチなどをしていたが、2007年にはK-1 JAPANで格闘家としてもデビューするなど異色の経歴を持った。現在は野球解説者ならびに指導者として活躍中。

画像3: 野球とサッカー、それぞれにある審判との駆け引き

森雅史(もり・まさふみ)
12月12日、佐賀県有田町に生まれる。週刊専門誌を皮切りに数多くの雑誌・書籍に関わってきた。強引な理論を振りかざした突破と爆発的な筆の遅さで読者の予想を超えるオチを目ざしているがいつも苦戦している。地道な取材の前線で体を張り続けているものの、書き始めるまで結論がどこになるのか本人にもわからない。キュートでニートなフットボールジャーナリスト。

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