歯科医とマラソンランナーの二足のわらじを履くアスリート、石川恵さん。一つのことに夢中になるようなことは何もなかった彼女が、マラソンで出会ったのは40歳を過ぎてから。アラフィフ世代とは思えない若々しさを持つ彼女がマラソンと出会い、新たな人生を歩む物語をお届けしています!

●前回の記事
第1話「昔から特別に夢中になれるものはなかった」 40歳を過ぎてから見つけた大切なもの
第2話「夢中になれるものを見つけたい」 人気ファッション雑誌のランナーとしてホノルルへ!
第3話「自分に自信を持てるようになった」 ランニングを始めてから初めて知った意外な自分

先のことが見えていたわけではなかったけれど…

自分の一生懸命になれるものを見つけ、充実した毎日を過ごしていた石川さんでしたが、ある時期から何をやってもうまくいかない暗く長いトンネルへと迷い込んでしまいます。あれだけ楽しかったランニングが、初めて苦痛に感じるように…。

そんなある日、石川さんはボストンマラソンに参加することを決めました。若かりしころに過ごした街、ボストン。ここで彼女は、昔のことを思い出すのです。

「あのころは、先が見えなくても夢があって、楽しかった…。そういったポジティブなころの思いがよみがえったのかもしれないですね」

画像: <ボストンマラソンにて夫の裕之さんと記念撮影/写真提供:石川恵>

<ボストンマラソンにて夫の裕之さんと記念撮影/写真提供:石川恵>

石川さん夫妻が20代のころの話。夫の裕之さんは大学病院で、専門である矯正の勉強をしていました。「いつかアメリカで勉強したい」。それが目標でした。

「先のことが決まっていたわけではありませんでしたし、アメリカに行けば収入も無くなるので、主人は特に大変だったと思います。でも、私は楽観的でしたね(笑)。仮にダメだったとしても日本に戻ってきて2人で働けばいいだけのこと。新しい場所で新しいことをする方が楽しみでした」

ロサンゼルスの先生のもとで修業をしながら勉強を続け、その後、大学院入学のためにボストンへと移り住みました。全てがうまくいっていたわけではなく、苦しいこともたくさんあったという、とても大変な時期ではあったそうですが、ここで過ごした時間があったからこそ、今2人の夢だったクリニックを持つことができたといえるでしょう。

2人で見た夢を一緒に追い掛けて、たどり着いた街、ボストン。ここに約20年ぶりに戻ってきたことで、石川さんは自分自身の原点に戻れたといいます。

「昔のこと、若かったころのことを思い出しながら、楽しんで走れました。タイムを気にせず、沿道の人とハイタッチをしながら。それでゴールしたら、なんだか吹っ切れたような気がします。これが原点だなって。ダメな時でも、心にゆとりを持って、それを楽しもうと。前は無理やりにでもそう思おうとしていましたが、今は心からそう思えるようになりましたね」

画像: <クリニックに飾られている記念品の数々。ボストンマラソンのメダルも>

<クリニックに飾られている記念品の数々。ボストンマラソンのメダルも>

石川さんは今、心からランニングを楽しんでいます。50歳を過ぎて、ますますその魅力に引き込まれているようにも感じます。

「なんで自分は走るんだろう?って、自分でもいろいろと理由を考えたこともあるんですが、結局、やっていて楽しいから、好きなことだから。それに尽きると思います。

ランニングが自分に合うという人もいれば、合わないという人もいると思います。決して万人が楽しいと思うようなものではないかなと。たまたま私は走ることに夢中になりましたし、そのおかげで自分に自信を持てるようになった。ダメだなと思う時期も、ランニングがあったから乗り越えることができたんだと思います」

夢中になれるものがある。好きなことができる。石川さんの若さの秘訣は、そこにあるのかもしれませんね――。そう尋ねると、あはは、と笑いながらこう答えてくれました。

「そうですね。好きなことを楽しめていると、仕事にも家庭にもいい影響が出てくる。全部がうまく回っていれば楽しいですし、楽しめていればいつも笑っていられる。それが大事なのかもしれないですね」

夢中になる。まさにスポーツの原点ともいえる楽しみを、40歳を過ぎてから見つけた石川さん。以前は「“生まれ変わったら”泳げるようになりたい」と少し消極的でしたが、走り始めてからはチャレンジする気持ちになり、泳げるようになりました。今ではトライアスロンもたしなんでいるそうです。

彼女の人生はランニングと出会ったことで大きく変わったのです。

It's never too late――.
何かをするのに、遅すぎることなんてない――。

どんなことでもいい。夢中になれるものが見つかれば、人生はもっと幸せなものになる。

石川恵さんの笑顔は、それを教えてくれているように感じました。

画像: <写真提供:石川恵>

<写真提供:石川恵>

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