社会人の方ならば毎日でも座っているであろう事務いすを社外に持ち出し、道路を爽快に豪快に走り抜ける、いす-1グランプリ!!

お遊びだと思ってナメてかかったら痛い目に遭うタフなレースでありながら、年々参加チームは増加し、今や日本全国15カ所、さらには台湾や中国でも開催されるなど、ますます盛り上がりを見せているこの競技の魅力をお届けしています!

●これまでの記事
第1話 事務いすで商店街を駆け抜けろ!! ちまたで話題のスポーツ

画像: 「うちのお父さん、あんなにすごかったんだ!!」街中がいす-1に染まる1日/熱いヤツ、集まれ。いす-1グランプリ開催!!②

商店街をもう一度盛り上げるために

2010年、京都府京田辺市にあるキララ商店街で、いす-1グランプリはその産声を上げました。

きっかけは、商店街の衰退。シャッターの下りた店舗が目立ち始め、商店街の方たちが皆、危機感を持ち始めていたそうです。大型ショッピングモールの登場などの社会状況の変化の中で、商店街に買い物に行く人はどんどん減っていく状況。どうすればもう一度、商店街に人が戻ってくるのか。キララ商店街の方たちは、活性化の起爆剤を考えていました。

「楽しくて、ワクワクして、笑顔にあふれて、自然と人が集まってくるようなことは、何かないのか…」

さまざまなアイデアが、浮かんでは消えていきました。例えば、「大人の三輪車レース」もその一つ。確かに、大の大人が三輪車をこぐ姿は面白い! きっと盛り上がるに違いない! ただ…、普通に生活している中で、大人が三輪車を買う機会はなかなかあるものではないでしょう。

そうではなく、普段の生活の中で誰もが接していて、持ってこようと思えばすぐに持ってくることができる。仮に持っていなくても、中古品を安く手に入れることができる。そんな物はないかと考えていた時に、ふと思い付いたのが事務いすでした。事務いすならば、どこの会社にもある。誰もがよく使う。乗って遊んで怒られたことだってあるはず!

「これだっ!!」

第1回いす-1グランプリの始まりでした。

評判はすぐに全国へと広がりました。参加の申し込みはもちろん、うちの商店街でも開催したいという問い合わせが相次いだそうです。

現在、日本事務いすレース協会の理事を務める黒田真吾さんはこう話してくれました。

「私たちが初めて参加したのが、2013年の京田辺大会。居酒屋で同僚と飲んでいた時に、たまたまTwitterでいす-1グランプリのことを見つけたんですよ。『事務いすを使ってこんなバカで面白そうなことをするなんて、 参加しないわけにはいかないだろ!!』と盛り上がって、エントリーしたんです」

黒田さんはオフィス家具メーカーで、WEBやSNSを活用したプロモーションを提案するマーケティングのチームで働いていました。その飲みの席でも、もっとダイレクトにお客さまとコミュニケーションを取れないだろうかと話していたそうです。

「モノづくりって、本当にすごくこだわりを持って、手間をかけて、モノをつくってるんですよね。でも、そうしたこだわりとか手間をお客さまにあまり知ってもらえていないなと感じてたんです。WEBやSNSを使ってもなかなかうまくいかなかった。この商品がどれだけいいモノなのか、リアルの場で試せる場所があることがどれだけ大事なことかと感じていた時期でしたね。

そんな時にこのいす-1グランプリを知ったんですよね。リアルの場で、地域の人たちがこれだけ集まってきて、盛り上がって、つながっている。これってすごいなって思ったんですよ。まずは、 自分たちも参加しなくちゃいけないなと(笑)」

参加者を見ていると、会社の仲間でチームを組んでいる人たちが多いそうです。他にも、子どもの幼稚園の父母会や、学校のPTAなどなど。京田辺大会の場合は、すぐ近くに同志社大学のキャンパスがある関係で、寮に入っている学生で出場するのが伝統にもなっているとか(笑)。

参加者が集まってくるのはもちろんですが、応援にもかなりの人数が集まってきます。特に岡山大会(水島市)は応援が熱く、5000~6000人も集まるそうです。水島は工業地帯のため、工場で働いている人たちによる企業対抗戦のノリになっているとか。

「お父さんが出場するということで、子どももやって来る。それが大事なんです。子どもはやっぱり大型ショッピングモールに行きたがるもの。でも、商店街に行けば、こんなに面白いことをやっているんだと感じてもらえるんですよね。『いつもは家でダラダラしてるお父さんも、頑張ったらこんなにすごいんだ!!』っていうのも見られますよね(笑)」

画像: 商店街をもう一度盛り上げるために

ここまで大きなイベントになってくれば、商店街ではなくて、大きな競技場を借りて開催することもできるはず。ですが、いす-1グランプリはあくまでも商店街での開催にこだわっているそうです。

「商店街には年配の方が多くて、もう自分たちで何かを変えることなんてできないと思っている人もいます。でも、そうじゃないんだと。こうしてイベントを開催することで、商店街には普段来ないような人たちがたくさん集まって来るわけです。中には遠方からわざわざ参加する人だっています、私のように(笑)。

大げさかもしれませんが、世代継承みたいなものが、このいす-1グランプリでできたらいいなと思っています」

競技として面白いだけではなく、世代継承や地域活性化にも役に立ちたい! それがいす-1グランプリの思いなのです。次回は、2016年に初めて開催された海外大会での話をお伺いします。まさかの感動秘話が!!

(第3話へ続く)


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