天皇杯決勝、川崎フロンターレvs鹿島アントラーズ戦は、前半に鹿島が1点、後半にフロンターレが1点を取り、延長戦へともつれ込んだのでした――!

●フロンターレ 天皇杯決勝までの軌跡 前回までの記事
第1話「天皇杯 決勝まであと3試合。フロンターレサポーターの想いとは!?」
第2話「ヨシメーターをカウントし続けた男。想いを乗せた大久保選手のシュートは…!?」
第3話「“風間サッカー”に育てられた選手たち、魅了されたサポーター…みんなでつかんだ大阪への切符!」
第4話「いよいよ元日決勝を迎えた“風間フロンターレ”。舞台裏ではあるサプライズを準備中…!?」

後半終了のホイッスルが鳴り、延長戦が始まるまでの間も、フロンターレサポーターの皆さんの大きな声援がずっと続きます。コールリーダーも、「絶対勝つぞ!! 絶対勝つぞ!!」とサポーターの皆さんを鼓舞します!

“風間フロンターレ”5年間の集大成として悲願のタイトル獲得を狙うフロンターレ。2016年Jリーグ王者の貫禄で勝ち抜きたい鹿島。両クラブとも負けられない戦い――。

延長戦が始まり、まだフロンターレに若干硬さが見られる中、攻め込んでいったのは鹿島の方でした。延長前半3分、鹿島DF植田直通選手からのロングパスにFWファブリシオ選手が走り込み、ループシュート! フロンターレDFエドゥアルド選手がゴール直前でクリアします! そしてコーナーキックからのクロスにヘディングシュートを放たれ、ゴールポストをたたくという大ピンチ! ボールは一度ハーフライン辺りまで戻されますが、再び前線へつながれ、ファブリシオ選手にゴールを決められてしまいます…!

延長前半での痛い失点…。ですが、サポーターの皆さんは全く間を空けることもなく、すぐにもっと大きな声援を送り続けます。選手たちも硬さはなくなり、その後“風間フロンターレ”らしいパス回しで攻め込む場面もありましたが、待ち構える鹿島も、ファブリシオ選手を中心に要所要所でフロンターレ陣内を脅かすのでした。

画像1: 延長へともつれ込んだ決勝戦! スタジアムを去る直前、風間監督が残した言葉とは…!?/ フロンターレ 天皇杯決勝までの軌跡⑤

延長後半も、フロンターレの攻撃を鉄壁のディフェンスで守り、追加点を狙いながらも時間をうまく使った鹿島。激闘の末、試合終了のホイッスルが鳴り響いたのでした。

画像2: 延長へともつれ込んだ決勝戦! スタジアムを去る直前、風間監督が残した言葉とは…!?/ フロンターレ 天皇杯決勝までの軌跡⑤

この日初めて、フロンターレサポーターの皆さんの声がやみます…。ピッチに座り込む小林悠選手、ぼうぜんとした表情の大久保嘉人選手、中村憲剛選手――。

優勝セレモニーが終わるのを待ち、選手・スタッフ全員でゴール裏のサポーターの皆さんの元へ向かいます。これでフロンターレを離れることになる大久保選手は、サポーターから拡声器を受け取るも、涙があふれ出て話すことができません。

画像3: 延長へともつれ込んだ決勝戦! スタジアムを去る直前、風間監督が残した言葉とは…!?/ フロンターレ 天皇杯決勝までの軌跡⑤

何とか声を振り絞って大久保選手が最後に口にしたのは、大好きな自らの応援歌でした。

「かわさーきのー嘉人ー」

するとサポーターの皆さんから「嘉人! 大久保ー!」と声が返ってきます。涙でそこにいられず、後ろへと下がる大久保選手。

続いて拡声器を受け取ったのは、同じくこの試合でフロンターレを退任する風間監督。サポーターの皆さんへ感謝の想いが述べられると、突然、ゴール裏の2階席からビッグフラッグが現れました…!

画像4: 延長へともつれ込んだ決勝戦! スタジアムを去る直前、風間監督が残した言葉とは…!?/ フロンターレ 天皇杯決勝までの軌跡⑤

そう、これが、サポーターの皆さんが風間監督へ感謝の想いを込めて準備していたサプライズだったのです。

ビッグフラッグは、風間監督がピッチを去るその瞬間まで見守り、感謝の気持ちとともに風間監督を次のステージへと送り出したのでした。

風間監督がスタジアムを去る直前、私は幸運にもお話を聞くことができました。「ビッグフラッグを見た時、どんなお気持ちでしたか?」と聞くと――。

「いつも本当にうれしいよ。またやらなきゃと思ったし、頑張ろうと思ったし、本当にああいうものって心の支えになるので。フロンターレで初めての試合の時にもフラッグを出してくれて、すごく励ましになった。今回も、このサポーターのみんなと別れるのは本当に辛いなって思うぐらいのものでした。すごくうれしかった」

2012年に、シーズンの途中からフロンターレに就任した風間監督。“風間フロンターレ”の初めての試合となる日、ホームスタジアム・等々力陸上競技場にチームバスが到着する時に合わせて、風間監督を歓迎し、応援するフラッグが掲げられたのでした。

画像: 写真提供=有限会社染太郎

写真提供=有限会社染太郎

当時のフラッグも、今回のフラッグも、準備したのはサポーターの皆さんと、長くフロンターレのフラッグ制作を手掛けてきた有限会社染太郎の影山洋さんでした。皆さんから感謝の言葉を預かっていた私。それを風間監督に伝えると、こう答えてくださいました。

「逆だよね。俺が感謝したい。

こういう関係って、俺たちだけじゃなくて、サポーターのみんなも望んでくれないとなかなかできることじゃない。選手、クラブ、それからサポーター。みんなが一体にならないといいクラブってつくれないと思う。3本柱として、サポーターの存在は本当に大きかったです」

そう言って、風間監督はスタジアムを去って行きました――。

決勝で負けたのはもちろん悔しかったはず。でも、風間監督がすがすがしい表情で新たな出発をしていったのは、5年間かけて築き上げてきた、フロンターレにしかない素晴らしい“3本柱”の関係がそこに生まれていたからだと感じました。

来月からはもう2017シーズンが幕を開け、風間監督も、大久保選手も、サポーターの皆さんも新たな旅が始まります。フロンターレで過ごした最高の時間を礎に、それぞれどんな道を歩んでいくのでしょうか。楽しみであるとともに、応援しています!

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