ベビーやカナヅチの方からトライアスリートに至るまで、常に寄り添いながら共に歩むパートナーとして楽しいスイムライフを提案する「スイムフォームコンサルタント」として活動すると同時に、トライアスロンのアスリートとしても活躍している美人スイムコーチ、中村美穂さんのインタビューをお届けしています!

画像: 「このままでは本当に守りたいものを守れないかもしれない」 美人スイムコーチを人生の苦難から立ち直らせてくれたもの/トライアスロン中村美穂選手インタビュー②

前回は、スイムフォームコンサルタントとしての活動や、コーチングのこだわりについて、お話を伺いました。

●前回の記事
第1話 「『人の人生を変えることに立ち会えたことがうれしかった』 美人スイムコーチが語る『スイムフォームコンサルタント』としての喜び」

健やかな心身がそろってこそ健康なんだと伝えていきたい

それにしても、なぜスイムフォームコンサルタントとして活動することになったのでしょうか? そこには、人生を見つめ直す経験がありました。

3歳のころから水泳を始めて競泳の選手になった中村さんは、やがて自然とオリンピックを目指すようになりました。中学生・高校生の時にはジュニアオリンピックやインターハイで優勝、国体では準優勝を飾るなど、輝かしい実績を残しました。目標としていたオリンピックへの出場こそかなわなかったものの、大学卒業までの約20年間、自分でも「やりきった」という感覚を覚えたそうです。そこでいったん水泳には区切りをつけ、一般企業へと就職することを決意します。

それからは仕事へとまい進した中村さんに、試練が襲い掛かります。社会人になってもアスリートの心のままストイックに仕事に取り組む中で、体に不調をきたしてしまったのです。摂食障害でした。彼女はガリガリに痩せ細り、体重はわずか31㎏。とにかくいつも寒かったそうです。

「あのころの私は、本当にすごく不健康でした。このままでいいわけがないとは思っていましたし、本気で変わりたければ、変わることはできたはず。でも、変わることができませんでしたね」

そんな中村さんに、本気で自分を変えるきっかけとなる出来事が起こります。東日本大震災――。強い揺れに見舞われた彼女のすぐそばには、臨月の妊婦さんがいました。

「守らなきゃ!」

とっさにそう思った中村さんにできたのは、ガリガリの体で覆いかぶさることだけでした。幸いなことに、妊婦さんも、お腹の赤ちゃんも大事に至ることはなく、その後、無事に出産したそうです。母親になったその女性にも、旦那さんにも、「本当にありがとうございました」と何度もお礼を言われました。無事だったことはもちろんとてもうれしい、心からそう思った。ただ同時に、ある恐怖心が脳裏をよぎりました。

「自分に本当に守りたいものができた時、この体のままでは守れないかもしれない…」

“本気で変わりたい!”、そう考えるようになった中村さんは、再び水泳を始めました。

「もちろん、そんな体で泳ぐことなんて無理です。それに、寒くて仕方がない、水着にもなりたくない。まずひっそりと入ったのは一番端の水中ウォーキングコースでした。1日10km以上泳いできた選手としてのプライドなんてみじんもありません。でも、もうね、塩素のにおいが“おかえりなさい”って言いてくれているようで涙が止まらなかった。水中ウォーキングなのにゴーグルをしてましたね(笑)」

次第に元気になっていく体、前向きになっていく心。自分自身の変化を感じます。

「摂食障害から立ち直らせてくれたのは、一度は離れた水泳でした。一歩踏み出すことができたのは、もともと自分が水泳をやっていたからだなと。健やかな心身がそろって初めて健康なのだと思うようになって、スポーツの仕事をしたいと考えるようになったんです」

画像: 健やかな心身がそろってこそ健康なんだと伝えていきたい

そう思い立ち、仕事を続けながら、スポーツ心理学や児童心理学、栄養学、スポーツ医療、東洋医学、指導論などの勉強を始めました。そして、ついに独立。でも…、「会社をやめた時点でのお客さまは、もちろんゼロでした。準備だけは万端だったんですけどね(笑)」と明るく笑う中村さん。不安は無かったのでしょうか?

「そうですねぇ、何とかなるだろう、何とかする!みたいな感じでした(笑)。そのころの私は多分、いろいろなものが有り余っていたんだと思います。子どものころからいろんなことをあまり深くは考えない性格でしたしね。ポジティブシンキングしかありませんでした!」

子どものころから続けて自分の人生のベースとなっていた水泳に巡り巡って再会した中村さんは、健やかな体と心を取り戻しました。そして彼女は、新しいスポーツと出会い、魅了されていくのです。

(第3話へ続く)

画像: <写真提供:中村美穂>

<写真提供:中村美穂>

<文・野口学(text by Manabu Noguchi)>

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