熊本に、全国の舞台で戦う少年サッカークラブがあります。

クラブの名は、ソレッソ熊本。

2002年に発足し、現在は幼児から中学生まで、総勢約300名が所属しています。高校を卒業後、すぐに上京してしまった私は、熊本にそんな大きな少年サッカークラブができていたとは知らず、今回初めてその練習場を訪れたのでした。

その日練習が行われていたのは、J2リーグ・ロアッソ熊本の試合などでもおなじみのうまかな・よかなスタジアムがある、熊本県民総合運動公園。敷地内のグラウンドの一つで、幼児からU-12までの子どもたちが練習しており、クラブの代表でありU-12チームの監督でもある広川靖二さんが迎えてくださいました。

ソレッソ熊本U-12は、今年5月に日産スタジアムで開催された全国大会「JA全農チビリンピック」で準決勝まで進み、3位という成績を残しました。12月25日(日)~29日(木)に鹿児島で開催される「全日本少年サッカー大会」にも、熊本県代表として参加することが決定しています。

ゴールデンウィークの5月5日に行われたチビリンピックは、熊本地震の直後でした。まずは広川さんに、チビリンピックに至るまでの経緯を伺いました。

画像1: チビリンピック全国3位の「ソレッソ熊本」、今度は全日本少年サッカー大会へ挑む!!/がまだせくまもと!#40

「熊本地震で避難する時に、うちのクラブの子がスパイクとソレッソのユニフォームだけ握って急いで家を出たという話を聞いて、すごくうれしかったんです。子どもたちの“サッカー”だけは守ってやりたいと思い、俺だけでも早く立ち上がって、何としてでも全国(チビリンピック)に行くよ!っていう姿勢を見せないといけないなと思いました。

そこからの行動は早かったですよ。翌週の月曜日にはスタッフ全員を集めて話し合って、火曜日からは各地の公園にバラバラにスタッフを配置して、うちの子どもたちが中心となって、ソレッソと関係ない子も幼児から女子高校生まで自由に参加して、一緒にサッカーやリレー、鬼ごっこもやりました」

それから1週間ほどはそうやって公園で遊ばせながら過ごしたそうですが、次の週になると、民間のグラウンドで使用できる所が出てきたそうです。学校はまだ再開のめどが立っていなかったので、昼間の時間帯に子どもたちを集めて練習を始めていきました。ですが、チビリンピックの開催は5月5日。刻一刻と大事な試合の日が近づいてきます。

「そんな中、4月末に宮崎県綾町という所から町を挙げてうちを受け入れてくださるという話を頂いて、6年生全員とその家族まで、みんなでそこで合宿をしました。『ソレッソが全国大会に行くための最終調整で来るから』ということで、急だったにもかかわらず、宮崎や鹿児島から10チームくらい集まって一緒に試合をしてくれたんです。スポーツって、勝った負けたも大事だと思うんですけど、スポーツでしかできない絆っていうものを本当に感じましたね」

そうして迎えたチビリンピックでは、見事準決勝まで勝ち進み、大宮アルディージャジュニアと対戦しました。同クラブの森田浩史監督は熊本県出身で、なんと広川さんの高校時代の同級生なのだそうです。

「おまえには負けられんなってずっと言ってたんですけど、きっちり負けちゃいました(笑)。でも、子どもたちにはいい経験になったと思います。あの時熊本県代表として全国大会に出るのは、注目度も高くて子どもたちにはプレッシャーだったかもしれない。でも実際に大会に出てみると、純粋にサッカーで挑める環境だったし、全国というものをこの年代で経験できたのは、子どもたちにとってはすごくいい財産になったと思います」

画像2: チビリンピック全国3位の「ソレッソ熊本」、今度は全日本少年サッカー大会へ挑む!!/がまだせくまもと!#40

ソレッソ熊本は、12月25日(日)からまた全日本少年サッカー大会に挑みます。熊本は九州という土地柄、普段から関東や関西の強豪チームと試合ができる環境にはありません。そういう意味では“地域的なハンデ”というものもあるかもしれません。でも広川さんは、普段から「全国」という視野を持っていると言います。

「今まで全国でベスト8や、3位には何度かなったことがあるんです。でも、日本一というのは取ったことがない。せっかくなら子どもたちにでっかい夢を持ってもらいたいんです。うちは誰でも入れるチームなので、そんなチームが日本一になったら、いろんな意味で希望になるんじゃないかと思って」

画像3: チビリンピック全国3位の「ソレッソ熊本」、今度は全日本少年サッカー大会へ挑む!!/がまだせくまもと!#40

私が、「熊本に日本一を目指していらっしゃるようなジュニアチームがあるなんて知りませんでした」と言うと――、

「でしょ? 僕も、こんなふうになる予定じゃなかったんですよね、全然(笑)」

と、屈託のない笑顔を見せる広川さん。ソレッソ熊本というクラブはどのようにして生まれ、どのように育っていき、全国で戦えるクラブにまでなったのでしょうか――。

<続く>

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.