2015年のゆるすぽドラフト1位に指名した、サバット元世界王者、原万里子さんへのインタビューレポート。3回に渡りお送りします。

画像: サバットに人生を捧げる覚悟は決めましたね!

覚悟は決めた。

「これまでの人生で、サバットにお金も時間も貢いでしまった以上、もう後には引けません。ここまでやったら、もうやり続けるしかないかなと。もうサバットに人生を捧げる覚悟は決めましたね」

力強くハキハキとした声で、それでいて柔らかく朗らかな笑顔を見せながら話してくれました。女性の名は、原万里子さん。彼女はサバットという格闘技で、なんと世界王者になったことがあるのです。

サバットはフランス発祥の伝統ある打撃系格闘技で、手足のコンビネーションによる激しい攻撃の応酬が魅力的。キックボクシングのような感じです。グッと脚を伸ばして相手の急所を攻撃するなど、正確性を追い求める実戦的なスタイルで、見た目もとても美しい。サバットはフランス語で「靴」を意味し、シューズを履いてプレーします。ソールの部分はとても硬く、これでキックされたらその痛さはもん絶レベル。

現在の競技サバットには、「コンバ」と「アソー」の2種類の形式が存在します。「コンバ」とはK.O.を狙うフルコンタクト形式の試合。一方の「アソー」は相手に大きなダメージを与えないように的確に攻撃を加えるライトコンタクトの形式で、ポイントによる判定で勝敗を競います。動きが派手なこともあり、見ている人にとっても楽しめる格闘技だといえるでしょう。

母国フランスでは、サバットは老若男女がたしなむ護身術としても知られています。日本における柔道や剣道のように、町の道場やスポーツセンターで気軽に慣れ親しむことができます。

フランスでは競技人口が数万人とも言われていますが、日本ではどちらかといえば、マニアックなスポーツの部類に入るでしょう。少し危険なスポーツでもありますので、安全性を考慮すると、海外で開催されるガチの大会に参加できる人はごく限られていて、わずかに15人程度だそうです。

競技人口にこれだけの圧倒的な差があるにもかかわらず、日本人選手が世界王者になったという事実は、言葉にする以上にとんでもない快挙なのです。コンバで2009年、2011年の世界大会で優勝した彼女は、年齢制限のために自身ラストとなる2017年大会での王者返り咲きを狙っています(アソーは年齢制限なし)。

冒頭の言葉は、そんな原さんに、「いつまでサバットを続けるのですか?」と質問した時の答えです。

覚悟は決めた――。

彼女は今でも本業であるグラフィック・デザイナーの仕事をしながら、サバットを続けています。アスリートとしては決して華やかで恵まれた環境とはいえないサバットに、どうして彼女はそこまで魅了されたのでしょうか? 

サバットに選ばれてしまった。

原さんがサバットを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

「ホントたまたまだったんですよ。ちょうど勤め先のすぐ近くにスポーツクラブがあって、仕事帰りにちょっと運動でもしてみようかなって、もう普通のOL気分で行ってみたんです。プールもあるし、シャワーも使えるしと思って」

そのスポーツクラブで出会ったのが、ここから十数年にわたってサバット人生を二人三脚で歩んでいくことになる、窪田隆一さん(ジャパン・サバット・クラブ代表)でした。

画像: ジャパン・サバット・クラブ代表の窪田隆一さんと、世界王者の原さん

ジャパン・サバット・クラブ代表の窪田隆一さんと、世界王者の原さん

このスポーツクラブでは、会員のサークル活動の一環として、格闘技サークルがあったそうです。それぞれの格闘技の経験者がお互いに教え合いながら、みんなでミット打ちをしたり、ゆるく格闘技を楽しんでいたそうです。ところがだんだんと教えられる人がいなくなって、窪田さんが中心になって教えることが多くなり、結果的にサバットをやることが増えていったそうです。その格闘技サークルに、ちょっと参加してみようかなと思ったのが、原さんの運の尽き(?)でした。窪田さんに、そして「サバット」という格闘技に、見初められてしまいました。窪田さんは、当時のことを振り返ってこう言います。

「あっ、この子は素質があるな!と思いましたね。そのサークルに来ていた人たちの中で抜群に運動神経が良かったですし、あとはメンタルの部分でしょうか。“継続する力”が誰よりも優れていましたね」

この話を聞いて原さんは、「素質というか、ホントに根性だけって感じですけどね」と笑顔で返します。窪田さんが、「あとはスタミナも優れているかな」と付け足すと、「それも根性とひとくくりですよね(笑)」と、また白い歯を見せて笑っていました。

なんにせよ、窪田さんとサバットに選ばれてしまった原さん。決して逃がすまいとする窪田さんは、原さんが練習に来れば、手取り足取り、知っている限りのサバットの技術を教え込んだそうです。これはまるで「あしたのジョー」の世界! 当時の窪田さんの指導を、原さんはこう振り返ります。

「アメとムチの使い分けがものすごくうまいんですよ。エサをまかれていて、気が付けば退路を断たれていた感じです」

とはいえ、原さんはサバットを続けているうちに、あっという間にその魅力に取りつかれてしまいました。そういえばサバットに人生を捧げる覚悟ができたと言っていましたね。その覚悟はいつ決まったのですか?

「意外と早かったですよ(笑)」

こうして原さんは、窪田さんの仕掛けたワナに、いとも簡単にはまってしまいました。

サバットと出会った原さん。そもそも彼女はいったいどんな子ども時代を過ごしてきて、今はどんな生活をしているのでしょうか?

<つづく>

★サバット体験したい方はぜひこちらへお問合せください。

◆問い合わせ窓口
liu@savatejapan.com (代表)窪田隆一

◆練習日時/場所
毎週日曜:原則としてAM10~12時(午後に変更になることもあります)/@世田谷区近辺の公共施設
毎週木曜:PM9~10時/@世田谷区二子玉川 Studio Releve

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.