被害の大きかった益城町や阿蘇の中間に位置する、高校サッカーの強豪校、大津高校。
数々のJリーガーや指導者たちを輩出し、サッカーにおいても“人づくり”においても名将と呼ばれる平岡和徳総監督は、苦境を乗り越える過程で何を思い、どんな答えを導き出したのでしょうか。

私は、「熊本地震があり、平岡先生ご自身の中で何か変わったことはありますか?」と聞いてみました。

「やはり、サッカーファミリーの素晴らしさというものを感じました。全国のいろんな人から声を掛けてもらったり、物資の面でもサポートしていただいて。そういった中であらためて思ったのは、出会いの大切さを後世に伝えていかないといけない、人を大切にする、一期一会を自分の財産にしていくということを伝えていかなきゃいけないなと思いました。

画像1: 「“24時間をデザインする”。そこが人生に差をつける」―大津高校サッカー部―/がまだせくまもと!#29

そして、生徒たちに言っていることは、『みんな今ピンチだけど、ピンチは実は新しいものを創り出すチャンスなんだ』ということ。だから前に進むんだよ、と伝えています。耐えられないほどの苦痛があるかもしれないけど、まず“自分力”で一歩踏み出すことで前が開けてくるんだと伝えています。

画像2: 「“24時間をデザインする”。そこが人生に差をつける」―大津高校サッカー部―/がまだせくまもと!#29

私が、学校現場・教育現場に携わっている中で重要だと思っていることは、子どもたちがキラキラした目で学校の中で活動してくれる、生活してくれるということです。

そこにはいろんな“文化力”が必要です。スポーツというものにもそのエネルギーを持たせ、スポーツの“文化力”を上げることで、子どもたちがより一層、震災前よりもキラキラした目で毎日を過ごせるようにしたいですね。

だからこれは本当に、ピンチではなく新しいものを創り出すチャンスだと捉え、全員が前に進めるようにパワーをつくるしかないと思っています。『艱難(かんなん)汝を玉にす』(※)という言葉があるように…」

※艱難汝を玉にす…人間は苦労・困難を乗り越えることによって立派な人物になる。(goo国語辞書より)

平岡先生が率いるサッカー部は、きっと高校サッカー選手権でも力強く前進する姿を見せ、大津高校のほかの生徒さんたちの希望にもなるに違いありません。

大津高校は、10月29日(土)に県予選の初戦を迎えます。平岡先生はどのように部員さんたちの力を引き出し、今年の選手権へ向けて突き進んでいくのでしょうか。平岡先生は、こう話します。

「『24時間をデザインする』という言葉を使っています。うちは、トレーニングを100分しかやらないんですけど、その理由は、人間っていうのは終わりをつくらないと途中を頑張らないから。成尾さんも、締め切りがあるから頑張るでしょ?」

はい。その通りです…(笑)。

「終わりがあるから途中を頑張って、そして結果というものが変わってくる。始まりをコントロールするんじゃないんです。『24時間をデザインする』というのは、常に終わりを意識しながら積み上げていく、という作業なんです。

24時間は有限でみんなに平等に与えられるけど、その使い方、工夫の仕方は無限です。そこが人生に差をつけることになる」

画像3: 「“24時間をデザインする”。そこが人生に差をつける」―大津高校サッカー部―/がまだせくまもと!#29

それってもしかして、人生に置き換えて言うと“人生も有限だと意識して生きる”ということかもしれません。

「今の時間というのは、昨日亡くなった人が本当は生きたかった1日、1時間なんです」

グラウンドに置かれたテントの中で平岡先生と話し込んでいると、練習中の一部の部員さんたちが校歌を歌う声が聞こえてきました――。

「あっ、あれは、声が出ないから校歌を歌わせているんです」と説明してくださった平岡先生。一体どういうことでしょうか?

(第4話へ続く)

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