スタジアムが恋しい季節。

画像: スタジアムが恋しい季節。

10月22日。
SMBC日本シリーズ第1戦が、遠い広島で行われるこの日。
本来だったら…いや、世が世なら、横浜スタジアムでその第1戦が行われているかもしれなかったこの日。残念ながら、その想いはかなわず。
そんな日に、自分が出かけたのは、サッカー・J1リーグの試合でした。
NACK5スタジアム大宮。
毎年、野球のオフシーズン。ベイスターズの試合がなくなると、スタジアムが恋しくなって、ちょこちょことこちらだったり、フクダ電子アリーナ(フクアリ)に足を運ぶことが自分はあります。
実は今年も、アルディージャの試合を観るのは3試合目でした。
この日は大宮アルディージャvs湘南ベルマーレ。Jリーグもいよいよ、この日を入れてあと残り3節。大詰めです。

「湘南大宮ライン」という交流の中…

この日は「湘南大宮ライン」と題した交流企画があり、ベルマーレのマスコット・キングベルI世にベルマーレクイーンの皆さんが、大宮まではるばる?ゲスト出演。試合前にはアルディージャのマスコット、アルディ&ミーヤとの対決企画があったり、みんなで一緒にステージに出たり。そんななごやかな場面もありました。
Jリーグでも、けっこうあるんですよね、マスコット交流。アルディージャは比較的そういう企画が多いように思います。
しかし。
この日は、そういったなごやかなマスコット交流ではおさまらないようなシチュエーションでもありました。この日の試合結果によって、ベルマーレがJ2に降格決定する状況だったのです。
ベルマーレはこの日の試合前の時点で「勝ち点21」の年間17位。
その上の16位、ヴァンフォーレ甲府が「勝ち点28」、ここからJ1残留ラインになる15位の名古屋グランパスが「勝ち点29」、そして14位のアルビレックス新潟が「勝ち点30」という状況でした。
※もし間違っていたらご指摘ください。
少なくとも、残留のために15位になるためには、上のチームが全部負ける、という仮定のもと、「勝ち点30」は必要な状態でした。
勝ち点21のベルマーレは、残り3試合。「勝ち点9」を得るために、最低限、残りすべてを勝たないといけない、という…
なんともハードなシチュエーション…

野球とサッカーの、あまりにも大きな違い。

画像: 野球とサッカーの、あまりにも大きな違い。

よくサッカーファンの友人だったり、自分がまったく知らない人からも言われる話。
それは、「プロ野球は降格がないからいいね」という言葉。
確かに。
いくらベイスターズが5年連続でセ・リーグの最下位をひた走ったって、下部のリーグがない以上、
翌年になれば借金も完済し、ゼロからのリーグ戦スタートになるだけ、なのです。
だから「気楽でいいね」と言われたこともありましたし、ベイスターズのイベントで「シーズンが終わればこっちのもんだ!」という某氏の発言も実際にありました。
余談ですが、個人的に、たとえば"パワプロ"だったり、「ベストプレープロ野球」のような、自分の選んだチームをリーグ編成してペナントを戦えるゲームで、前年度AクラスのチームとBクラスのチームでリーグを分けたりとか、そういった遊びをやったことはありました。まあ、それでもベイスターズがBクラスのリーグで最下位だった時は、いたたまれないものがありましたが。
しかし、Jリーグは、プロ野球のようにはいきません。同じ18チームで翌年にJ1は持ちこせない。
負けが込み、降格ラインを割ると、J1は3チームが、J2は最多で2チームが降格する。下のカテゴリーに行くことになる、という…
1つの試合を観戦する、という事だけで言えば、サッカーと野球の違いというと、やはり「スピード感」、そして「限られた時間」。前半45分、後半45分、ほぼ止まらないその試合展開に、息つく暇はなかなかありません。リズムの違い、とも言えますね。
しかし、その背景には「降格」という、あまりにも大きな違いがあります。

アルディージャの圧倒的な攻撃。

そしてキックオフ。
前半はアルディージャがまさに圧倒、という雰囲気。立て続けに2点、アルディージャの攻撃がベルマーレゴールを揺らしていました。特に2点目の江坂任から泉澤仁につないだゴールは、アウェー側に離れていてもわかる素晴らしい美しいゴールでした。
※ちなみに泉澤のチャント(応援歌)には、ライオンズの秋山翔吾のメロディーが流用されています。これは野球ファン必聴です!
シチュエーションによりけりですが、野球の2点差と比べると、サッカーの2点差は、非常により重く感じます。1点ずつ、返していかないといけないですから…
さらに後半もアルディージャの勢いは止まらず。決定打になるような3点目を、これまたキレイに横谷繁のコーナーキックから、ドラガン・ムルジャのヘディングで決めるという。
後半はホーム側にゴールのエンドが変わっていたので、アルディージャのゴール裏は、それはもう、お祭り騒ぎでした。
サッカーの3点差。かなり厳しい状況に置かれたベルマーレ。このまま試合を終えてしまうのか…
いや、"湘南の暴れん坊"は、決してあきらめていなかった!

ここにもあった、"It ain`t over till it`s over."

3点差をつけられたベルマーレでしたが、そこから先、猛攻が始まります。
いや、どちらかというと、アルディージャが安心してしまったような雰囲気でした。マン・オブ・ザ・マッチに輝いたドラガン・ムルジャも、試合後にその点ははっきりと言っていました。
"湘南の暴れん坊"の黄緑の閃光が、次々とアルディージャゴールめがけて襲い掛かります。
そして後半77分に1点、さらにその6分後に2点目と!
一度こじ開けられたゴールへの道は、試合中に途切れることがほとんどなかった、ベルマーレサポーターのチャントの歌声に向かって、突進していきました。
ベルマーレに必要だったのは、引き分けではなく、勝利ただそれだけ。勝ち点1ではなくて3。同点に追いつくための1点ではなく、勝ち越すのための2点―でももしかしたら、今の彼らなら、それをやってのけるかも!
自分はアルディージャのゴール裏(車椅子席の付き添いでした)にいながら、そんな奇跡が起こるかもしれない…そう思って観ていました。
"最後まであきらめない"
"It ain`t over till it`s over."
そんな、横浜のどこかで聞いたようなフレーズが、自分の頭の中に浮かんでいきます。
激しい攻守交代、最後まで、目の離せない戦い。そして―
ホイッスル。
ベルマーレは、"あと2点"を決めることができず。イレブンは次々に、ピッチへと倒れこみ、座り込み、膝を抱え…あまりにも切ないシーンです。

チームに寄り添い続けたサポーター。

降格の瞬間に立ち会ったのは初めてでした。
強いて言えば2009年、ジェフユナイテッド市原・千葉が、前年の"奇跡の残留"から1年、無念の降格となった、その降格後の次の試合、イコール最終戦だったのですが、フクアリで試合後に、当時の社長の挨拶を見たことがあります。
社長の声に拍手もまばら、呼応する声もほとんどなく、時折聞こえてくる声は怒号交じりのものでした。
また、チームを糾弾するような横断幕が上がったり、フロントの説明を求めるようなサポーターの抗議・座り込み、というものも、ニュースで見かけたことがあります。
そんな場面が、このスタジアムにも、起きてしまうんだろうか…
そんな気持ちでアウェー側を見ていました。
しかし。
挨拶に来たベルマーレイレブンを待っていたのは、とても大きくて、とても温かな拍手、ばかりでした。
もちろん、彼らを怒っていた人も、いたかもしれない。だけど、反対側から見ていたら、
そんな人が"いたかもしれない"ぐらいにしか思えないほどに、黄緑に染まったエリアからは、拍手と激励ばかりが注がれていました。
「またJ1に戻るぞ!」という声も、遠くから耳にしたような気がします。
今年のベルマーレは、昨年の再昇格からの快進撃とは裏腹に、主力選手の移籍による影響で、かなりチーム編成にも悩まされていたようです。予算も限られていた、そんな中での、今季の戦い―本当に苦しかったようです。
そんなイレブンの戦いに寄り添い、J2降格という結果にも、ただ前を、未来を見据えるかのように、拍手を注ぎ続けたサポーターの皆さん。
まさにそれは、選手たちを後押しする、より添い続ける"サポート"の姿だったと思います。
アルディージャの渋谷監督も、「彼らの意地を感じた」と、ベルマーレの後半の攻撃を称えるコメントを残されていました。
キーパーの塩田選手も、「1年でJ1に戻ってきてほしい」というツイートをされていました。
アルディージャサポーターからも、彼らに拍手が送られていたように思います。
"湘南の暴れん坊"たちの戦いは、多くの人々の心に刻まれていたようです。

これからも、寄り添っていけるように。

残り、J1リーグは2節。
ベルマーレは奇しくも、次節はヴァンフォーレ、最終節はグランパスと、残留争いの渦中にあるチームとの戦いが続きます。
注目を集める戦いになりそうですが、自分もベルマーレ、そしてベルマーレサポーターの皆さんの戦いを最後まで見守っていきたいと思います。
そしてJ1リーグの最終節の頃には、ベイスターズも奄美秋季キャンプに突入。来季の戦いに向けて、いっぱいいっぱい、鍛えてきてほしいです。
確かに「降格」はないけれど、上を目指していく気持ちは野球もサッカーも変わらないはず。
自分もそんなベイスターズに、これからも寄り添っていけたらと思います。
この日の、サポーターの皆さんのように。

※この記事は「ゆるすぽアンバサダー」が作成した記事です。記事内の権利関係等の責任は筆者に属します。

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