6月27日。新宿・ロフトプラスワンでは、またしてもあのイベントが開催された。

「横浜に入る悦び」。

昨年の1月からはじまった同イベントも、今回で数えること6回目。今回のイベントには1998年の日本一メンバーから伝説のOBが2人も来場するとあって、新宿の、月曜日の、夜という野球ともベイスターズともまったく縁がないにも関わらず、ロフトプラスワンの前には会場前から長蛇の列ができ、あっという間にフルハウスとなる大盛況となった。

午後7時30分。本家のWe☆YOKOHAMA DAYでも演奏した重田恵子さんの“大洋・横浜”電子オルガン演奏。そして、神楽坂大洋レコードの伊藤亮介店主による国歌“勝利の輝き”からゲストお二人のアコースティック応援歌でダーリンハニー吉川、春日太一、村瀬秀信のお馴染三人が緊張した面持ちで入場。

「本当にあの2人が歌舞伎町の地下に来るのだろうか?」

そんな不安とも期待ともつかない空気が会場を独特の緊張感に包む。

突破口を開いたのはDH吉川だった。

「さぁ、ではロマックの話からしますか」

この一言で会場は笑い声に包まれると共に、肩の力が過剰に抜けたのか。自然発生的に応援歌の大合唱がはじまった。

「われーらの星ジェイミー ビッグなジェイミー」

本編とは一切関係ない。

注目したいのは春日、吉川、村瀬ともに、再販されたユニフォームをはじめ横浜大洋グッズに身を包んでいたということ。

「球団は我々アラフォーぐらいのオッサン世代を狙い撃ちしにきている」

と嘆く春日は、何故か島田コーチのオーセンッティックユニを身に纏う。抜群の安定感を誇った98年の島田氏への感謝の意だそうだ。

吉川は大洋「19」のユニ。一瞬緊張が走るが、山崎康晃と聞いて何故か会場には安堵の空気が流れた。吉川はいいファンだ。

そして村瀬は「W」のテンガロンのみ。なんでも大洋復刻ユニが出るタイミングで奥様に口座を封鎖されカードを取り上げられたらしく、唯一このテンガロンを春日氏に買ってきてもらったそうだ。

そんな大洋ホエラーでマルハ二ストな3人も、この日は勝手が違う。

「いや、もう、僕らの話なんてどうでもいいので早く呼びましょう」

そういって呼び込まれた2人のレジェンド。

画像: 二人のレジェンドが歌舞伎町に降臨!/横浜に入る悦び6イベントレポ前半

鈴木尚典。

マシンガン打線の3番打者。天才的打撃で97年98年連続首位打者に輝いた英雄。現在は横浜DeNAベイスターズ球団職員の傍らDeNAベイスターズJrチームの監督も務める。昨年5月の「第3回横浜に入る悦び」で「日本一早い日本シリーズの戦い方」を教えるために登壇。その後、失速したためシリーズは幻に終わるも、その濃すぎたトーク内容、そして歌舞伎町の地下の空気が意外と気に入ってくれたこともあり、今回2回目の登場となった。

その傍らにはもう一人。尚典氏と同じ72年生まれの同級生。偏差値69県立厚木高校からやってきた頭脳明晰、剛球一閃、闘志溌剌、蒲鉾回転、クワトロK。

川村丈夫。

いわずとしれた昨年までDeNAベイスターズの投手コーチを果たしたMr,ブレーン。98年開幕投手と日本シリーズ優勝決定戦の先発のマウンドを踏んだ男は、頭脳明晰にしてインテリジェンスの高い貴重な野球人。本来は歌舞伎町の地下になど来てはいけない人である。いや、それどころかこの「横浜に入る悦び」が現役から通じて、はじめてのトークショーだというから驚きだ。とはいえなぜ、こんな歌舞伎町の地下なんかに。

「尚典くんが誘ってくれたもので……」

なんて事をはにかみながら応える川村氏に、会場はモワッとした笑顔で包まれる。

横浜高校と厚木高校で対戦はなくとも高校の時から知っていた2人。もちろん伝説の厚木高校VS川崎北高校の川村×河原(元巨人)対決の話も飛び出した。今はご自宅も近所で仲がよいらしく、ちなみに呼び名は尚典→タケオくん。川村→尚典くんなんだとか。

イベントの前半は今シーズンの振り返りを中心に話が展開された。

昨シーズン投手コーチを務めた川村氏ならではの投手陣の見解。そして横浜高校卒業生6人を誇る現在のベイスターズにおいて、その頂点におわす尚典氏の鋭い意見など、一言一言に大歓声とため息が入り混じる。

そんな夢のような時間で、特に興奮を隠せなかったのが、DH吉川氏だ。

「実は僕は川村さんに会うのは今日がはじめてじゃないんですよ」

吉川氏はかつて宜野湾キャンプの時に、宿舎近くの居酒屋で家族と食事をしていると、そこに川村氏と波留敏夫氏がやってきて隣合わせになったそうだ。

「やべえ、どうしよう」と震える吉川氏の心を知らずか、当時2歳だった娘さんがところとこと川村コーチの方へと歩いていってしまったとか。

そんな娘の無礼にふるえあがった吉川氏は川村氏に「申し訳ありません」と平謝り。すると川村氏は「いいんですよ。カワイイのは今だけですから可愛がってあげてくださいね」と言ってくれたのだとか。

吉川氏は自分が芸人であることもベイスターズファンであることも告げず、イチ父親として川村氏と父親トークに花を咲かせたとか。

吉川氏の告白に、「そうだったんですか……すみません」と恐縮しきりの川村さん。

画像: 川村丈夫。

尚典氏は今季の筒香に関して、シーズン前に「レフト方面へのホームランを伸ばすにはどうすればいいか?」という質問を受けたそうだ。尚典氏は「わからない」と答えたのだとか。「僕は15本か20本の選手ですよ。筒香は30本以上打つ人間です。これはもうわからない領域です。僕は正直に言ったんです。ほんとにわからないって(笑)」とウソだろうかホントだろうか。

今シーズンの戦いも、気にして観ているというお二人。引退してもチームへの愛は変わらないことが伺える。

「DeNAベイスターズの優勝を祈って」

そう言って乾杯する二人の姿に、胸が熱くなる前半戦となった。

 <後半につづく>

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