今話題のスポーツ、ブラインドサッカー! 前回は、このブラインドサッカーのルールや特徴についてお伝えしました。視覚障がい者と健常者が力を合わせてプレーすることが重要になるというお話でしたね。

今回は、7月9日、10日の2日間に、アミノバイタルフィールド(東京都調布市)で開催された、第15回アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権、その大会2日目にゆるすぽ編集部で行ってまいりましたので、その様子をお届けしようと思います!

大会1日目は、あいにくの大雨…。でしたが、2日は見事な快晴! 広がる青空と緑の芝生のコントラストが本当にキレイですね。とてもたくさんの人が来場されていました!

画像1: 「混ざり合う社会」を体感! アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権#02

2日間を通して来場者は、3,347人! また、障がい者スポーツの国内大会としては珍しい有料席が販売されていましたが、大会前に100席が完売! さらには過去最多となる15チームが参加! ブラインドサッカー日本代表は残念ながら、リオデジャネイロ・パラリンピックの出場権は逃してしまいましたが、競技への注目度は下がるどころか上がり続けているように感じますね。

さて、このアクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権、日本一のチームを決める国内最高峰の大会ではあるんですが、実はそれ以外にもたくさんのイベントやブースが出ているんです。そのいくつかをご紹介したいと思います。

まず最初は、ブラインドサッカーVR体験ブース。なんとこちら、最新のVR(バーチャルリアリティー)技術を用いて、ブラインドサッカーの選手が普段どのようにプレーしているのかを実際に体感できるのです。

画像2: 「混ざり合う社会」を体感! アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権#02

そこで、ゆるすぽ編集部も実際に体験させてもらいました! 専用のゴーグルを装着したところで、バーチャル体験が始まります。ブラインドサッカーの選手と同じように目が見えない状態で、ボールの音や選手同士の掛け声を頼りにゲームを進めていくのですが…、難しい!! なんとなくこっちの方から音がしている気がする…、というのは分かるんですが、それを一瞬で正しく判断しないと、あっという間にボールを奪われてしまうのがブラインドサッカー。その緊迫感の一端を味わえました。この状態であれだけのプレーができる選手たちはやっぱりすごい! ということを、あらためて実感しました!

次に紹介するのは、弱視(ロービジョン)体験ブースです。一言に“弱視”といってもさまざまな「見えにくさ」があり、特製メガネを装着することでそれぞれ体験することができるのです。

画像3: 「混ざり合う社会」を体感! アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権#02

こちらでは、ロービジョン日本代表の角谷佳祐(かどやけいすけ)選手が、ブースに訪れた一人ひとりに、丁寧に説明してくれていました。

画像4: 「混ざり合う社会」を体感! アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権#02

こちらが、「見えにくさ」を体験できる特製メガネ。黄色や赤みがかかっていたり、ぼんやりとしか見えなかったり、あるいは部分的にしか見えなかったり。この特製メガネを装着して、ブースに飾ってある文字や国旗を見ようとすると…、本当に見えにくい! ぼんやりとしか見えなくなるメガネを装着すると、相当近づかないと文字が読めなくなり、色のついたメガネの場合は、国旗の色もどれも同じに見えてしまったり…。

今度は、視野が部分的にしか見えない特製メガネを装着して、角谷選手とパス交換を体験! 角谷選手が、「ちょっと意地悪をしますね」と言って始めましたが…、はて?

角谷選手がボールを蹴って、筆者の足下にボールが来ます。確かに視野は極端に狭くなっていますが、ここまでは大丈夫。さて、次は筆者から角谷選手にパスを、と思って顔を上げたら…、あれ、角谷選手がいない!! どこに行った?? と思ったら、角谷選手は2メートルくらい横に動いていました。足下のボールに視線を移している間に動いていたのです。普段であれば、ボールに視線を移していても、周辺視野によってなんとなく周りの状況も分かるものですが、視野を極端に狭くしていることによって、同時にいくつもの物が見えなくなってしまっていたのです。角谷選手を発見してパスを出そうとしたら、今度は足下にあるはずのボールがどこにあるのか不安になって、また足下に視線を移して…、と簡単なパス交換さえ思うようにできなくなってしまいました。

そこで今度は角谷選手が、パスを出した後に、「はい! はい! はい!」と声を出してくれました。すると、それだけで角谷選手がどっちの方向に動いたか分かるようになり、一度視線を角谷選手から外しても、すぐに発見することができるようになりました! たったそれだけのことで、パス交換がスムーズにできるようになったのです! 

角谷選手はこのように話します。

「僕たちがプレーするときに気を付けることとして、声を出すことにあります。弱視といっても、人によって見え方が全然違います。どのような見え方をしているかによって、得意とするプレースタイルやポジションも変わってきます。例えば、全体を見なくてはいけないポジションであれば、視野が広い人が務めたりします」

確かに、いわゆる健常者のサッカーでも、背が高い人がセンターバックをやったり、足が速い人がサイドをやったりしますもんね。それと同じということですね!

「まさにその通りですね。僕たちは“見えにくさ”“見えやすさ”も個性の一つだと考えています。人それぞれの個性がどうすれば活きるのか。そういったことが大事なんだと思います。だからこそ、しっかりとしたコミュニケーションを取ることがやっぱり重要だと考えています。これはサッカーに限らず、日常生活でも同じことだと思いますね。

目の見えにくさというのは、なかなか人には伝わりづらいと思います。ですが、こうして体験してもらうことで、これまで分かりづらかったものが少しでも分かってもらえるようになると、とても嬉しいですね」

日本ブラインドサッカー協会は、このようなビジョンを掲げています。

「ブラインドサッカーを通じて、視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を実現すること」

そう、決してブラインドサッカーの強化や普及が最大の目的ではないのです!

街で目の見えない人が道に迷っていたら、目の見える人が当たり前のように彼らのサポートをしたり。目の見えない人が大型デパートへ行けば、店員さんが丁寧にお店の案内をしてくれたり。週末には、目の見えない友人と「いつもの休日」としてお酒を飲みに出掛けたり。こうした光景を、多くの人が“当たり前”と捉える社会を目指しているのです。それを実現するためのツールとして、「ブラインドサッカー」があるのだといえるでしょう。体験ブースを通じて、そのビジョンの一端を感じられたような気がしました。

さて、いよいよ次回は試合の様子をお届けしたいと思います!

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