どのように逆境に立ち向かってきたのか?

6月7日。高校総体・熊本県予選で男子サッカーの頂点に立ったのは、熊本国府高校でした。

学校によっては、3年生は受験に備えるため、秋から冬にかけて開催される全国高校サッカー選手権大会を待たずに、夏の総体で引退する生徒さんたちもいます。各高校が熱い思いをもって臨むこの県予選で、国府高校は見事優勝を勝ち取りました。

熊本地震発生からわずか1カ月半――。彼らは、どのように逆境に立ち向かってきたのでしょうか。そして、7月27日(水)からいよいよ高校総体・全国大会を迎える彼らは、今一体何を思うのでしょうか。

私は、熊本県合志市にある、サッカー部の練習場を訪ねました。

画像: どのように逆境に立ち向かってきたのか?

「やっぱり成長しましたよ。精神的な部分ですよね」

グラウンドで、一生懸命にボールを追いかけている部員さんたちを見守っていたのは、佐藤光治監督。監督に就任して7年目を迎えました。

地震が起きた後、学校が再開したのは5月10日ころ。総体へ向けてのチームづくりに時間が足りないのではと心配される中、練習に戻ってきた部員さんたちの目は以前とは違っていたそうです。

「やっぱり成長しましたよ。精神的な部分ですよね。(地震が発生した後、)人を支えるとか、仲間を助けるとか、そういった動きをしてくれていたおかげで、すぐにチームがまとまりました」(佐藤監督)

画像: 「やっぱり成長しましたよ。精神的な部分ですよね」

地震発生直後、国府高校にはたくさんの方々が避難していました。ですが、指定避難所ではなかったため、管理者やリーダーなどは特にいない状況。お年寄りもたくさんいらっしゃる中、サッカー部の部員さんたち自らの判断で、校庭にパイプ椅子を並べて「SOS」の文字を書きました。

ほかの避難所にも、散り散りになって避難していた部員さんたち。自分たちのネットワークで情報交換をしたり、自分たちで避難所に電話をかけて、どこに何が足りないのか情報を集め、サッカー部に集まった物資の中から選び出し、部長の先生に運転をお願いして避難所に配ったそうです。

「『自ら動く』ということですね。ピッチの中でも、最終的には自分たちの判断でやらなきゃいけないスポーツですよね、サッカーって。パッとボールが来たときに、自分で判断する。ここは何をしなきゃいけないのか、とか。地震が起こってから、みんな自分から一歩踏み出す機会が多かった分、やっぱり成長していました。一人ひとりが大きく変わったわけではないですけど、場面場面でそう感じます。何か起きたときには自分たちで集まってミーティングしていたりとか、そういったところは成長したなと思います」

約1カ月という準備期間で臨んだ熊本県予選。なんと、国府高校は全試合無失点で勝利を収めました。

「そういうことって、一人の力じゃできない。一人ひとりの役割をしっかり果たした上で、チームワークがないとできないことです。ああいう大きな震災を通して、逆にチームが一つになることができた。だから結果が少しずつ出てきたのかな、と思います」

“個”の判断力と、チームワーク。常に周りのことを考え、仲間のために汗をかく。

彼らのその「強さ」は、どのようにして育まれているのでしょうか。

<続く>

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