ついに熊本に、Jが戻ってくる!

7月3日。ついに熊本に、Jが戻ってくる!

J2第21節、ロアッソ熊本 vs セレッソ大阪が、熊本地震以降使用できなくなっていたうまかな・よかなスタジアム(うまスタ)で開催されることが決まり、ゆるすぽレポーターに就任したばかりの私も早速、この試合に行ってきました。

この試合でうまスタに訪れたファン・サポーターの皆さんの数は、9322人! スタジアムの安全確認が部分的にしかとれていないということもあって、メインスタンドだけを使用しての試合だったのですが、開場前から長蛇の列ができていて、本当にたくさんの人がこの日を待ち望んでいたんだなとあらためて実感しました。

画像: ついに熊本に、Jが戻ってくる!

試合開始前には土砂降りの雨や、余震がありイベントが途中で一時中断するなど、無事試合が行われるのか心配にもなりましたが、約3カ月ぶりの“我が家”での試合がキックオフしました。

試合は早くも前半8分に動きました。ロアッソのDF薗田淳選手が先制ゴールを奪ったのです! 観客も想定していなかった早い時間での先制点に、メインスタンドをほぼ埋め尽くしていた赤いサポーターたちが総立ち! このチャンスを演出したFW清武功暉選手が試合後、「練習からやっていて、狙い通りでした」と話してくれたように、幸先のいいスタートを切りました!

前半17分にはバックスタンドの向こう側に虹がかかり、希望を感じさせるようでもありました。

ですが、その後、思いがけない展開に…。

同点にされた後の、前半25分、先制ゴールを決めた薗田選手がレッドカードを受けてしまったのです。プロ10年目にして初ゴールを決めた直後に訪れた退場劇。薗田選手は、試合後に「ゴールを決めたことよりも、チームに迷惑を掛けてしまって、申し訳ない気持ちが強いです」と話していましたが、ピッチを後にする際に、スタンドからは惜しみない拍手が送られていました。

そして、これをきっかけに試合の流れが一気に変わってしまいました…。

後半21分には、FW巻誠一郎選手がピッチに入ります。地震発生直後から今も変わらず、避難所を回りながら支援活動を続けている巻選手の背中に、観客から大きな声援がかけられます。

「オー 巻! Get Go 巻!」

後半29分には、セレッソ側で、熊本県出身の藤本康太選手が投入されましたが、その際にもロアッソサポーターから拍手が起こっていました。

結果的には、1-5の完敗。でも選手の皆さんは勝利を信じて、最後まで走り続けていました。選手の皆さんが諦めていない中で、サポーターの皆さんだって諦めていませんでした。最後まで大きな声援を送り続けていました。連戦が続く中で、しかも1人少ない状況。足がつりそうになっている選手もいましたが、決して下を向くことはありませんでした。

試合終了のホイッスルが鳴ると同時に、次々とピッチの上に倒れ込む選手の皆さん。その様子からも、どれだけ気持ちを込めてプレーしていたかが分かります。

ですが、落ち込んでばかりもいられません。すぐに巻選手が先頭に立って、選手全員でセレッソサポーターの皆さんの元へと挨拶に行きました。セレッソサポーターの皆さんから激励のコールが飛びます。それに対して、今度はロアッソサポーターの皆さんからも、セレッソサポーターの皆さんに向けて、アンサーコールが飛びます。

「ロアッソ熊本! ロアッソ熊本!」

「サンキュー大阪! サンキュー大阪!」

セレッソの選手の皆さんも、ロアッソサポーターの元へ。

「セレッソ大阪! セレッソ大阪!」

「熊本! 熊本!」

そして、ロアッソの選手の皆さんが、ロアッソサポーターの元へと向かいます。

「ロアッソ熊本! ロアッソ熊本! ロアッソ熊本! ロアッソ熊本!」

みんな立ち上がって、選手たちに嵐のような拍手を送り続けます。選手たちの姿が見えなくなっても、それでも声援を送り続けていました。

試合後、巻選手がこのように話していました。

「あれだけたくさんのサポーターの皆さんが来てくれたのに、勝つことができなくてもったいなかったです。正直なことを言えば、11人でやりたかったですね…」

敗戦を悔しがりながらも、巻選手はサポーターの皆さんへの感謝の気持ちを忘れませんでした。

「最後まで応援してもらって、こういう(負けという)結果にもかかわらず拍手もしてもらって。本当に感慨深かったです。自分たちの背中にはたくさんのサポーターがいてくれると感じられるというのは、感慨深かったですし、力強かったです。帰ってきたんだなと…。

これからメインスタンドだけじゃなくて、スタジアム全体を真っ赤に染めていくことができれば…。そうなった時が、僕たちの本当の意味での復興かなと思うので。そのためには、僕たちがいい結果を残すことが大事だと思っています。

今の僕たちには、帰ってこられる場所がある。それが、本当に心強くて、ありがたいことです」

それは、サポーターの皆さんにとっても、熊本の人たちにとっても、同じ気持ちだと思います。またこうした仲間同士で集まれる場所があることが、どれだけ幸せなことか…。結果は負けてしまいましたが、それ以上のものが、ここにはあったように感じます。

本当にたくさんの人の想いが、この試合の裏側にはありました。それはまた次回、お届けすることにします。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.