視覚障がい者と健常者が力を合わせてプレーする注目のスポーツ、ブラインドサッカー! 今回は、Jリーグの浦和レッズが開催したブラインドサッカー体験会についてお届けしています。

ブラインドサッカー日本代表の加藤健人選手が所属する「埼玉T.Wings」の協力の下、ファン・サポーター50人、レッズ6選手が参加したこの体験会を開催したきっかけには、レッズの平川忠亮選手が経験した、ある予想外のアクシデントにあったのでした。

画像: 今回の体験会を企画した平川忠亮選手

今回の体験会を企画した平川忠亮選手

昨年3月27日、春の匂いがする頃の、ここ大原サッカー場でその出来事は起こりました。

いつものように始まったトレーニング。ウォームアップを終え、やがて試合形式の練習に入ったところでした。そこで平川選手は、突然ピッチに倒れ込んだのです。

ボールが顔面を直撃。目の辺りに強く当たり、しばらくは目を空けることもできなかったといいます。

しかし、本当の異変はその後に気付きました。

ボールが当たった痛みはすぐに取れ、しばらくして目を開くことはできたものの、目の前が真っ白な状態になったのです。何も見えなくなってしまいました。

「恐怖しかなかった」

世界が真っ白になる――。それまでに感じたことのない恐怖を味わった平川選手。幸い、5時間ほどで視力は回復したそうですが、その時のことをこう振り返ります。

「その間、本当にいろいろな人にサポートしてもらいました。その人たちに対する感謝の気持ちと同時に、自分自身が目の見えない方をサポートする側になれないかという気持ちになったのです。そこでたどり着いたのが、このブラインドサッカーという競技でした」

画像: 浦和レッズ平川忠亮選手はなぜブラインドサッカーを支援するのか?/浦和レッズ×ブラインドサッカー②

それから平川選手は同じ埼玉を本拠地とする埼玉T.Wingsの存在を知り、自らブラインドサッカー体験会へと足を運びました。強豪の浦和レッズ一筋15年のベテランで、数々のタイトル獲得に貢献してきた平川選手。ボールを扱う技術は日本でもトップクラスです。そんな選手が体験会に参加すれば、当然のことながら他の参加者からは飛び抜けたプレーをしてしまう…、ということはありませんでした。アイマスク一つ着けただけで、平川選手は一般人と“互角”になってしまったのです。

それが平川選手にとってはとても楽しく、またブラインドサッカーの奥深さを感じたそうです。

平川選手は埼玉T.Wingsの支援を申し出て、それからブラインドサッカー日本代表で埼玉T.Wings所属の加藤健人選手との交流が生まれたのでした。

平川選手と交流のある、埼玉T.Wings所属、ブラインドサッカー日本代表の加藤健人選手(左)

平川選手は、今回自ら企画したブラインドサッカー体験会を前にこう話しました。

「まずは経験して触れ合うことが大切だと思います。そうすることが、ブラインドサッカーや障がい者の方への理解を深める第一歩になります。

今日はクラブがこの体験会に協力してくれて、グラウンドも貸してくれました。いつも選手が練習しているピッチで、ファン・サポーターの皆さんにとってはなかなか入る機会がないと思うので、皆さんと一緒に楽しんでいければと思います」

こうして、浦和レッズによるブラインドサッカー体験会が始まったのでした。 <つづく>

<文・野口 学(text by Manabu Noguchi)>


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